和歌山代表として官邸で働く
―官房副長官の在任期間1000日超―
先月内閣改造が行われ、第三次安倍改造内閣が発足した。同僚として官邸を支えてきた加藤勝信衆議院議員は一億総活躍大臣として入閣したが、私は引き続き内閣官房副長官に留任することとなった。
総理の専権事項である人事のことなので理由はよく分からないが、二人の副長官を同時に交代させるわけにはいかないという判断があったのではないか。なかなか安倍総理の側から手放してもらえそうにない。
1年以上在任し続けると身体に悪いと言われるほどの超激務のポストだが、すでに在任期間も2年10か月となって1000日を超えており、このままいくと官房副長官の在任記録を樹立する可能性も出てきた。ちなみに官房副長官の連続在任記録の保持者は森内閣から小泉内閣にかけて約3年3か月間副長官を務めた安倍総理である。
副長官の職務を続ける限り、プライベートな予定はほとんど立てられない。このコーナーへの投稿を執筆する時間もなかなか確保が難しい。総理に呼び出されれば直ちに執務室に駆けつけて話を聞かなければならないし、総理や官房長官からの指示で特命業務も多数担当している。総理の外国訪問にも同行し、首脳会談のサポートや記者へのブリーフィングを行う。安倍内閣は「官邸主導」の政策運営といわれている。そのためあらゆる案件が官邸にあがってきて、副長官として総理や長官の判断を仰ぐにあたっての前さばきや省庁間の調整をしなくてはならない。私の執務室には15分単位で各省庁の幹部が説明にやってくる。毎日の日程表は文字でぎっしりと埋まっている状態だ。外からの情報収集も重要な仕事であり、朝、昼、晩のすべての食事は国会議員やマスコミ、経済人、学者との食事会になっている。
副長官になって何よりも辛いのは総理の外国訪問への同行や危機管理対応のため、就任以前のように頻繁に和歌山へ戻ることが出来ないことである。総理の外国訪問は国会日程等の合間を縫って週末に行われることが多いため、和歌山へ帰る機会を逸することになる。また危機管理では特に最近火山の噴火、台風、水害など想定を超える自然災害が連発しており、何か事態が発生すると直ちに官邸の危機管理センターに駆けつけて対応することになる。災害だけではなく、エボラ出血熱や中東呼吸器症候群などの新型疾病に関しても警戒を緩めるわけにはいかない。北朝鮮のミサイル問題など安全保障上の問題もある。危機管理で万が一にも失策や遅延があってはならないため、いつでも官邸に駆けつけられる体制を取っていなければならない。
このような官房副長官の激務ではあるが、日本の経済・外交を立て直すために文字通り命がけで闘っている安倍総理を間近で直接支えることが出来ることは政治家冥利に尽きる。和歌山代表として官邸で働いているという意識を持って、これからも全力で職務に精励していきたい。