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ニュース和歌山「国政直送便」/日本と和歌山の復興に全力

2012年01月21日

日本と和歌山の復興に全力


新年がスタートいたしました。皆様方にはすがすがしい新年を迎えられたことと拝察いたしますが、昨年わが国、わが故郷をおそった災害とその被災者のことを考えると、軽々にお祝いの言葉を申し上げるわけにもいきません。

昨年は東日本大震災と台風12号によりわが国と和歌山県は深刻な被害を受けました。大震災については、国会議員として何度も現地に足を運び、状況を把握し、対策立案に参画してまいりました。民主党政府の遅遅とした取り組みが復興の阻害要因になっているのを痛感しましたが、批判をしていても復興は進まないので、自民党として独自の支援を進め、政府提出の復興関連予算・法案の早期成立に協力し、原発被災者の早期救済や二重ローン対策、瓦礫処理などで自民党としての議員立法を進めるなどして参りました。

台風12号についても早期に現場入りし被害状況を把握し、早期の激甚災害指定や交通網の早期復旧に努力して参りました。9月の予算委員会で質問に立ち、菅内閣から野田内閣への引き継ぎのまずさが政府対応の遅れになったのを明らかにし、近く発生が予想される東南海・南海地震対策としての道路網整備、特に高速道路の整備について政府として積極的に取り組む旨の答弁を引き出しました。今後も日本と和歌山の復興に全力投球する覚悟です。

総選挙の民主党政権のマニフェストが実現不可能なことも明白になっています。正当性を失った野田民主党政権を早く退陣に追い込み、日本の政治をまともに機能させるべく、ねじれ国会の主戦場である参議院自民党の国会対策委員長代理として頑張っていかねばなりません。


昨年は私個人にとっても変化の年でした。9月の父の逝去に伴い、近畿大学理事長に就任しました。政治家と大学経営者の二足のわらじを履くことになったのです。

政治と大学経営には相乗効果があると考えています。特に政治にとって根幹的な課題は教育改革です。学生5万人、教職員5千人の巨大組織のトップとしての経験は必ず政治のトップをめざす上でも役立ってくると確信しています。そして何よりも近大マグロや生物理工学部、附属中高などなど、近畿大学と和歌山県は切っても切れない関係です。私の理事長就任を機に近大と和歌山の連携関係を強めていきたいと考えています。

KEYWORD:和歌山, 震災復興, 近畿大学

ニュース和歌山「国政直送便」/国会のコーディネーター「国対」

2011年12月17日

国会のコーディネーター「国対」


現在、私は参議院自民党の国会対策委員長代理に就任しています。ニュースなどで「国会対策委員会」(略称:国対)という名称はよく耳にされると思いますが、その活動内容は一般にはあまり知られていません。

国会には法律や決議案が多数上程され、委員会での審議を経て本会議で採決されます。正式には各委員会の理事会や議院運営委員会がスケジュールを調整しますが、これらの組織は独立しており、全体の日程や衆参の調整で不都合が発生する可能性があります。また、正式な機関でいきなり協議したのでは、与野党の利害が正面からぶつかり合って、なかなか合意や妥協が得られないことも想定されます。

そこで各党は国会対策委員会という組織を置き、非公式に日程調整などを行うようになっているのです。まさに先人の知恵で作られた支え役が国対なのです。

法案が国会に提出されると、まずその法案に関して総理入り本会議質疑を要求するのか、総理なしの本会議で済ますのか、あるいは本会議を省略し直接委員会に付託するのかを国対で判断します。

その後、委員会審議を理事と連絡を取りながらウォッチし、十分質疑が行われたと判断すると、委員会採決にゴーサインを出し、本会議で採決する日程を決めていきます。



この間には出来るだけ早く成立させたい与党国対と、しっかり審議したい野党国対間で激しい交渉が行われます。野党もいたずらに審議を引き延ばすことはしませんが、重大な問題点が明らかになってきた場合などは審議時間の上積みを要求します。また、政府法案を通過させるのと交換に我々の議員立法の審議入りを要求するといった駆け引きもあります。政治と金やTPPといった国民の関心の高い問題については予算委員会のTV入り質疑を求めたりもします。

大臣の答弁ミスといった突発事態も頻繁に発生し、即座に対処しなくてはならないので、国会開会中は常時院内の国会対策委員会室に詰めていなくてはなりません。一般議員からは国対は多忙で拘束時間も長く、敬遠される役職ですが、国会全体をコーディネートしていく醍醐味も味わえる立場でもあります。委員長代理という職務は非常な重責であり、緊張感を持って務めていきたいと思います。

KEYWORD:自由民主党, 参議院, 国会

ニュース和歌山「国政直送便」/故西岡武夫参院議長を悼む

2011年11月19日

故西岡武夫参院議長を悼む


去る5日に西岡武夫参院議長が逝去されました。心からお悔やみ申し上げます。
議長とは平成19年から2年間、議院運営員会でお付き合いさせていただきました。当時の参議院は自民が少数与党、野党民主が過半数を押さえていて、今より厳しい「ねじれ」状態でした。西岡さんは議院運営委員長、私は与党筆頭理事という立場で、本格的ねじれ国会の中でお互いに知恵を出し合いながら、ある時は激しく対立する場面もありました。

しかし、非公式な場では、私が1歳にもなっていない昭和38年初当選の大先輩としてご指導いただきました。幾多の修羅場を乗り切ってこられた西岡さんの言葉には重みがあり、特に若い頃から自民党改革に挑戦してこられた経験は、今の自民党改革に苦闘する私にとっても参考になる部分がありました。

当時の議運理事は若手議員が多く、党派を超えて西岡さんを交えてよく飲みに行きました。酒を飲めない西岡さんが若手の議論をにこやかに聞いておられたのが強く印象に残っています。

議運を離れた後も交流は続き、私が委員会で質問に立った直後に「今の質問良かったよ」と携帯に電話をいただいた事も何度かありました。


最後にお会いしたのは8月末のことでした。「至急会いたい」とのメッセージをもらい、議長室に駆け付けたところ、「SIMロックフリーのiPad2を使いたいから教えてくれ」との用件でした。実は西岡さんは電子機器に関心が強く、過去スマートフォンに関し何度かお手伝いしたことがありました。私は「海外から日本の基準に合致したものを取り寄せて、設定しましょう」と請け負いました。

その後、雑談となり、西岡さんは「代表選は本気で出馬する計画だった。世耕さん達後輩に先鞭を付けることが出来るでしょう」とニヤッと話されました。「参議院から首相を狙うという気概を持て」という激励でした。

最後に「復興で政府の動きが遅い。議員立法でやっていこう。まともな政治家が政党を超えて連携して、復興のための立法を行う仕組みを作るから、その時は参加してくれ」と言われました。復興への熱い思いがひしひしと伝わってきました。

9月中にiPadは届きましたが、その後、議長は体調不良で国会に登院されることも少なくなり、お渡しするチャンスを逃したのが心残りです。

KEYWORD:参議院, エピソード

ニュース和歌山「国政直送便」/台風12号被災地の思い代弁

2011年10月15日

台風12号被災地の思い代弁


9月28日に参院予算委員会でTV中継入り質疑に立ちました。参院自民として野田内閣に初めて対峙する場であり、緊張感を持って臨みました。

私のテーマは、3次補正へ向けての与野党協議、台風12号への初動対応、沖縄での保守系公民教科書の採択問題などでしたが、特に台風12号被災地の思いを代弁する質問に注力しました。

台風が異常な長雨を呼び、土砂災害や水害が高い確率で発生すると予想されていた8月30日から9月2日にかけて、野田総理は首班指名されていたものの、組閣が行われず、菅内閣が職務執行内閣として実務にあたる極めて中途半端な状況でした。大規模災害が想定される際に重要な関係省庁連絡会議も立ち上げられていませんでした。

野田内閣は9月2日夕方にようやく組閣され、仕事をスタートさせますが、台風と大雨による被害が一段と深刻化していく状況であるにもかかわらず、内閣発足の喜びに酔っていたのでしょうか、迅速な対応は行われず、災害対策基本法が定める「非常災害対策本部」が内閣に設置されたのは内閣発足の翌々日の夜のことでした。

その頃には紀伊半島では多数の人命が失われ、多数の集落が孤立状態でした。明らかに野田総理が党内バランスに配慮した人事を行うために組閣に時間をかけたことと、内閣発足後も迅速な危機管理組織の立ち上げが行われなかったことが対応の遅れにつながったと言わざるを得ません。


質疑の中では、深刻な過疎地域である紀伊半島の被災地の復興には、国が全面に出て東日本大震災並の対応を行うべきであること。今回の台風で国道168号と311号は災害に脆弱であることが判明し、東南海・南海地震の際には国道42号も寸断されるという想定の中で、大地震対策という観点からの高速道路を含む紀伊半島の道路網整備・強化が重要であることも指摘させてもらいました。

実は質疑の日の朝にかねて療養中の父が危篤状態となり、万一の場合最期を看取ることは出来ないとの覚悟で質問に立っておりました。父は何とか持ちこたえてくれ、私はこの日の国会終了後、大阪の近大病院に駆けつけて翌日早朝に逝去した父を見送ることが出来ました。麻酔により意識不明でしたが病室で私の質疑の放送を流していてくれたそうです。まさに私の予算委員会の質疑が終わるのを待っていてくれたかのように感じています。

KEYWORD:和歌山, 参議院, 国会

和歌山新報「がんばってます」/国が前面に出た復旧を

2011年09月27日

自民党の国対副委員長に

―まずは交通インフラの回復―

台風12号による未曾有の大災害で県内で多数の尊い命が失われました。亡くなられた方に心から哀悼の誠を捧げると共に、被災された皆さんに心からお見舞いを申し上げます。

私は直後から古巣のNTTに連絡して固定電話、携帯電話の早期復旧や臨時通信手段の確保に取り組んできた。また被害を受けなかった紀北の支持者からのミネラルウォーター等の取り次ぎも行い、断水に苦しむ地域に届けるといったことも行ってきた。

ただ現地の視察だけは自粛してきた。政府の災害担当の役職にない一国会議員が現場に入ってもできることは限られている。議員が現地に入るだけで、必死に対応にあたっている行政関係者の足手まといになりかねない。こういう災害が発生した時には視察に来た大臣等の後ろに立って必死にマスコミのカメラに映り込もうとする政治家がいるが、見苦しいパフォーマンスだと言わざるを得ない。


発災から数日たって、野田首相や谷垣自民党総裁の視察を受け入れることができるようになったことを受け、私も現地に入りすることにした。現地自治体の担当者に迷惑をかけないように配意し、一部を除き地元の県議、市町議や後援会幹部に案内してもらうようにした。

9日から11日まで3日間かけて、那智勝浦、新宮、旧熊野川、古座川、田辺、日高川、旧本宮、旧龍神の被災地をみっちりと回らせてもらった。また18日にはみなべ町の状況も視察した。

あまりの惨状に言葉も出なかった。山が頂上からえぐり取られるように崩落し、住民が行方不明になっている現場にも入った。家の上に家が載っていたり、崖の中腹に車がぶら下がっていたり、私がよく通った森林組合や道の駅が建物ごとなくなっていたり、橋が落ちていたり、まさに「山の津波」におそわれたという状況であった。東北の被災地を何度も訪問しているが、今回の被災地も同じような光景だ。

今回の被災地はすでに過疎化に苦しんでいる地域である。20日に激甚災害指定が閣議決定されたが、従来の激甚災害対策の枠組みには限界がある。甚大な被害を受けた過疎地域の復旧のために補助金のかさ上げや無利子融資を提供しても受けるだけの基礎体力がない。東日本大震災の被災地と同じように国が前面に出て復旧を行っていくしかない。

また、これからは家屋に積もった泥や瓦礫(がれき)の清掃・撤去を行う段階に入ってくるが、やはり民間ボランティアの協力が不可欠だ。すでにボランティアセンターが開設されているが、東北で活躍した有力なボランティア団体等を受け入れていくことも重要だ。

深刻な被災状況については枚挙にいとまがないが、今後の復旧や生活、地域経済への影響を考えた場合に深刻なのは幹線国道、鉄道が深刻なダメージを受けていることだ。崖崩れや路面崩落により国道168号は緊急車両以外通行できない部分がある。国道311号の滝尻王子付近は土石流で埋まって完全に寸断されている。紀勢線はいまだに鉄橋の復旧が進まないまま不通区間がある。まずは交通インフラの完全復旧を急ぐことが重要で、このことが他分野での復旧のスピードアップにもつながり、紀南の生命線である観光産業の復興にもつながる。 和歌山県にとっては大きな試練となった今回の災害であるが、県選出の参議院議員として復旧・復興に全力で取り組んでいきたい。

KEYWORD:和歌山, 参議院