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【公式】世耕 弘成【和歌山から日本を再起動!!】
2003年12月09日
総務大臣政務官に就任して早くも2ヶ月半が経過した。その間解散-総選挙があったため、約1ヶ月の空白があったが、投票日翌日から早速総務省に登庁して公務を再開した。
私はお飾りの政務官や地元利益誘導で喜ぶ政務官になるつもりは毛頭ない。官僚の世界にしっかりと切り込み、政治家として明確な業績を残しておきたいと考えている。
まずテーマに選んだのが「電子政府・自治体の推進体制」である。総務省の中には電子政府・自治体に関係する部署が多数存在するが、役所特有の縦割り意識の中でほとんど部署間の連携が取れていない。このままでは各部署による手前勝手な電子化が進められ、結局は国民に不便を感じさせることになる。
そこで、「電子政府・自治体の推進体制」を総務省内に設立することを考えた。住基ネットをはじめとする自治体の電子化に取り組む自治行政局。霞ヶ関の電子化を担当する行政管理局。そして関連技術の開発に取り組む情報通信政策局。これらの部署を横断して関係者が集まり、統一的に政策を進めていくことにするわけだ。
推進本部には縦割り社会に安住する古いタイプの官僚たちからの抵抗があったが、麻生大臣に直談判し了解をもらい、改革派の若手官僚の協力を得ながら政治主導で一気に進めた。麻生大臣が本部長、各副大臣、政務官が副本部長、各局長クラスが本部員にそれぞれ就任。私は副本部長兼事務局長に就任した。
さらに関係の課長クラス以下が参加して実務的な議論する場として推進本部の下に幹事会が設置された。この幹事会は事務局長の私が主催することとなり、週一回ペースで会合を持つ。また外部の専門家の意見を聞く場として有識者懇談会が設けられた。
この懇談会メンバーの人選も私が行ったが、コンピューターのプロや学者ばかりを集めるのではなく、電子政府のユーザーである国民の立場を代弁できる人を選ぶように腐心した。例えば高齢のパソコンユーザーの集まりである「コンピューターおばあちゃんの会」の代表の方や、企業や行政のホームページの使い勝手の良さを格付けしている方などにも入ってもらうことにした。
すべての準備を整えた上で今月3日に推進本部を立ち上げ、初会合を開いた。席上麻生大臣から「各省の電子政府予算の使われ方には相当無駄な部分があるのでこの推進本部が中心となってチェックせよ」とか、「国民は電子政府について何も知らない。政府広報予算を活用して国民への周知徹底に努力せよ」といった具体的指示が飛んだ。また私からも「国民にとっては、国も省も県も市町村も関係ない。あくまでも行政として一本であるべきなのに、ホームページ等のサービスはバラバラに提供されている。この推進本部での議論はこれらの一本化を目指すこととしたい」と指摘した。
今後はこの推進本部を中心として、電子政府タウンミーティング等を開催して国民にとって便利で使いやすい電子政府・自治体の実現に向けがんばっていきたい。
2003年09月02日
2003年07月23日
6月中旬、若手議員の勉強会で、「日本の国土と地形や地質が同じことが証明されれば、現在、周辺海域200カイリの『大陸棚の範囲』が350カイリに拡大できるそうなんだ。」とある議員が話した。半信半疑、いったいそんなことが本当に可能なことかどうか一度勉強会を開こう。
私は、早速、担当している海上保安庁 海洋情報部 大陸棚調査室の谷室長を呼んで、数名の若手議員と勉強会を開くことにした。谷室長は20年間にわたり、「大陸棚調査」一筋の職人気質を持った、役人にしてはめずらしくユニークなキャラクターである。話し方もユーモアたっぷり、とても興味をそそられる内容だった。
出席した議員全員も「これは国家的プロジェクトとしていける。いままで何故放っておいたのか。すぐに行動に移そう」みんなの目は輝いた。いままで日の目を見なかった「大陸棚調査」が脚光を浴びる前ぶれである。
昭和57年に採択された国連の海洋法条約によると、海底資源の管轄海域200カイリまでの海底下を「大陸棚」と規定。自国の国土と地形や地質が地続きであることの証明ができれば、わが国の新たな「大陸棚」とすることが可能となる。なんと、国土面積の1.7倍(約65万平方キロメートル)の広さに国土が拡大されるのである。
しかし、そのためには国連の「大陸棚の限界に関する委員会」に対し、2009年5月までに地形や地質に関する詳細なデータを申請した上で、この委員会での厳正な審査をクリアしなければならない。
もしも、新しい「大陸棚」が認められた場合には、金・銀のほかマンガン団塊やコバルト、天然ガスなど数十兆円分の膨大な海底資源がわが国のものとなる。また、民間企業での海底資源の探査に関する技術の育成も可能となり、調査結果は、将来、予想される南海地震など海底地震等の防災対策や地球温暖化対策など気候変動予測、漁業の振興などにも大いに活用できる。
いままで、海上保安庁では、「大陸棚調査」に毎年2億円余の予算を組み、調査を実施していた。しかし、海底の精密な地殻調査、高性能の調査船舶や大量の機材も必要なことから現行の予算レベルでは絶望的な状況とされている。
私たち大陸棚勉強会有志は、「現在のレベルでは調査を断念したのと同様、推定一千数百億円を投じて、国家レベルのプロジェクトとして成功させよう」という意見で一致。それぞれで国会議員をまわり、賛同署名活動を実施することになった。私も同僚議員とペアを組み、参議院の先生方から短期間に44名の署名を集めた。最終的に衆・参議院あわせて75名の署名が集まったのである。
7月1日、私たちは、自民党の国会議員75名分の賛同署名を携え、「海底資源が豊富な大陸棚に関する調査費の大幅な拡充」を求めて、総理官邸に福田官房長官を訪問。福田官房長官も非常に関心を持ち、調査費として2009年までの6年間で約一千数百億円の予算措置を約束、「必ずやります」と積極的な姿勢を示してくれた。私たちのビッグプロジェクトが動き出した瞬間だ。
2003年06月21日
6月16日午後2時過ぎから、参議院決算委員会で約35分間の質問に立った。この日は平成13年度決算審議の締めくくりの質疑の日で、決算重視の参議院の姿勢を明確にしようということで、全閣僚出席のもとNHKのテレビ中継も入っていた。
この質疑で私はODA問題に絞って質疑を行った。国民はODAに関して日本が国際社会で活動していく上で必要不可欠であることは認識しているものの、無駄な事業が行われているのではないかとか、相手国の特権階級の利権につながっているのではないかといった不透明感を感じている。そして日本経済自体が景気低迷にあえいでいる中で、なぜ海外に援助をしなくてはならないのかという煮え切らない思いがある。このあたりを率直に総理や外務大臣にぶつけてみた。
特に大問題は、経済発展目覚ましい中国に対して今なお年間1000億円を超える援助を日本が行っているということである。中国に対しては過去20余年かけて合計3兆円以上の援助を行ってきている。にもかかわらず中国首脳から日本の首脳に対して具体的な感謝の言葉を表明されたことはない。しかも中国内では北京の空港ビルや地下鉄、SARS対策で活躍した中日友好病院が日本の経済援助で建てられたことについて、国民に対してほとんど周知されていない。
また、そういった基本インフラの整備は日本のお金にやらせておいて、核兵器の保有を続け、軍備の増強も推進している。また中国政府は経済発展目覚ましい沿岸部の整備に力を入れるばかりで、内陸部の貧困問題は放置している。このことがわが国への不法入国の増加、そして治安悪化へとつながっているのである。
さらに無視できないのは、日本から援助を受けながら一方で他の発展途上国に対して中国が援助しているという事実である。推計では年間600億円以上のお金が中国からASEAN諸国などへの援助に使われている。また中国はカンボジアなどに対して1000億円を超える巨額の債権放棄を約束したりしている。要するに日本のお金が間接的に中国の国際影響力強化に流用されているわけだ。
このような中国への援助を一度ゼロベースで見直すべきだとの主張を小泉総理にぶつけたところ、多少慎重な言い回しではあったが、「中国がわが国の援助に対して感謝しているのか、あるいは必要としているのかよく見極めることが必要だ。国益を重視して、見直すべきは見直していきたい」との答弁が得られた。
またIT関連のODAについては、もっと戦略性を持たせて、日本のIT技術の普及に資するような形で活用すべきだということも指摘しておいた。
質疑後、私の事務所には中継を見ていた人々から私の指摘に賛同する大量のメールや電話が殺到した。いかに国民がODAのあり方や中国への経済援助にいら立ちを覚えていたかの証左であろう。対中問題を中心とするODAに関してわたしは単に国会質問に終らせることなく、ODA基本法などの新たなルールづくりなどに取り組み、日本の国益につながるODAに改革をしていきたい。
2003年04月18日
自民党内に「都市と農山漁村の共生・対流を進める調査会」という組織がある。道路整備の問題、税源の配分問題などで何かと対立の多い都市と農山漁村だが、これからは真剣に共存を考えていかなくてはならないということで立ち上げられた組織である。都市と農山漁村それぞれに人がお互いの地域の魅力を分かち合い、「人・もの・情報」の行き来を活発にしていくことで、都市と農山漁村の新たな対流が生まれ、共に生きる仕組みをつくることで、新たな日本再生の仕組みにしていこうというものである。政府の中には関係副大臣会議が設けられ、安倍官房副長官が座長を務めている。私もこの調査会に最初からメンバーとして参画し、和歌山県における緑の雇用事業の成功例などを紹介し、都市と山村の交流が大きなポテンシャルを秘めていることを主張してきた。
この調査会では都市と地方の交流に取り組むNPOの皆さんからのヒアリングも行ったが、その中でいろいろな問題点も明らかになった。特に改善の要望が強かったのが情報提供の方法を改めて欲しいということだった。農山漁村でのグリーンツーリズムや体験学習といった各種の制度や取り組みが各省庁や自治体レベルで導入されているものの、情報提供がばらばらに行われているため、国民やNPOにとってこれらの制度が分かりにくく使い勝手の悪いものになっているという問題点があるのだ。
そこで調査会ではポータルサイトとして機能するホームページを作って、都市と農山漁村の交流に関する情報を統合的に紹介してみてはどうかということになり、調査会の中に「交流情報小委員会」が設置され、私が副委員長としてホームページの運営方針などについて任されることになった。
実際のホームページの運営は「(財)都市農山漁村交流活性化機構」の中にある「都市と農山漁村の共生・対流関連団体連絡会」が事務局として担当して、4月からホームページでの交流情報の統合的提供がスタートしている。
決してお堅い情報提供ばかりではなく、ボランティア活動へのお誘いや環境保全運動、アウトドアライフ、各地の珍しい食べ物の情報提供なども行っている。まだまだ未完成のホームページなので、これからも改良を重ねていきたいと思う。たとえば緑の雇用のような農山漁村での就業体験談の紹介や、都会の人と農山漁村の人がテーマを決めて議論するBBS、ライブカメラや動画による風景の中継などがあっても面白いと思う。
ご家族でのゴールデンウィークのすごし方を検討されている方は是非このホームページを参考にされてみてはどうだろうか。例年とは一味違った休暇になるのではないか。またホームページではこの都市と農山漁村の交流を進める国民運動のネーミングを募集中である。是非応募していただきたい。(http://www.kyosei-tairyu.jp/)