世耕弘成 SEKO HIROSHIGE

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世耕弘成

和歌山新報「がんばってます」/脱霞ヶ関依存型で政策立案

2006年07月04日

脱霞ヶ関依存型で政策立案

― 「シンクタンク2005 日本」が始動 ―

6月5日に自民党系のシンクタンクである「シンクタンク2005 日本」の開所式が、東京虎ノ門にある同シンクタンク事務所で挙行された。参加者20名程度のささやかな式典ではあったが、武部幹事長、中川政調会長が出席し、安倍官房長官からの祝電が披露され、多数のマスコミも取材に訪れるなど、日本の新しい政策立案手法確立への自民党の熱意と、世の中の注目度が感じられる開所式であった。

 私はこれまで安倍晋三党改革実行本部長(当時)とともに、これからの自民党の政策立案は霞ヶ関依存型から脱却しなければ、諸外国との政策競争に勝てないし、霞ヶ関の縦割り構造では解決できない新しいタイプの政策課題に対応できないという思いで、設立に向け奔走してきた。一時は霞ヶ関に任せておけばいいではないかという党内の反対論や、お金がかかりすぎるのではないかという懸念が強く、設立断念寸前まで追い込まれたこともあったが、党内を説得し、何とかここまでこぎ着けることができ、感慨無量である。

 このシンクタンクは新しいスタイルの政策立案に向けて早速実績を上げつつある。シンクタンクでは、ノーベル経済学賞を受賞した米ペンシルバニア大クライン教授をはじめ、内外超一流の経済学者に依頼して、「日本が今後3%程度の経済成長を持続することが可能かどうか」について、実際の経済モデルを走らせながら検証してもらった。そしてIT分野への投資を活性化すれば十分に可能であるとの研究結果を得た。日本はインターネットのインフラは十分に整備されているが、民間企業がそれを活用して新しいビジネスモデルを描けておらず、まだまだ潜在的な成長の可能性を秘めているとの結果であった。その研究成果を中川政調会長に報告して、党の経済成長戦略立案に大きな影響を与えた。


また「小さな政府論」について、東京大学の久保文明教授をはじめとする専門家に研究してもらった。日本はなぜ小さな政府を目指さなくてはならないのか? という点を中心に検討してもらったわけだが、その過程で世界の大規模な財政改革の成功例、失敗例を分析した結果、成功した国は7割を歳出削減、3割を増税を含む歳入増で対応してきたという分析結果が出て、その結果が党でとりまとめた歳出歳入一体改革に反映された。

 このような政策提言は霞ヶ関の省庁からは決して出てこない種類のものだ。今回自民党系シンクタンクが自民党と一定の距離を保ちながら、外部の学者と政治家がコラボレーションしながら、経済成長と行政改革についてこのような提言を行い、それが自民党の政策決定に影響を与えたということは、まさに画期的な出来事である。今後も教育が経済成長に与える影響や少子化時代の社会福祉のあり方について、外部の頭脳を活用しながら提言をとりまとめ、自民党や政府の政策立案に反映していくことになるであろう。

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和歌山新報「がんばってます」/予算承認直後またも不祥事

2006年04月18日

予算承認直後またも不祥事

― 国会に説明なしのNHKにメスを ―

不祥事続きで受信料収入が大幅に減少しているNHKだが、去る4月10日また新たな不祥事が持ち上がった。スポーツ報道センターのJリーグ担当のチーフプロデューサーが224回ものカラ出張を繰り返し、1700万円を超える不正な出張経費を受け取り、私的な飲食や服飾費に使用していたというのだ。


このニュースを聞いて私は驚くとともに怒りに震えた。というのも私は現在放送関係も所管する参議院の総務委員長を務めており、総務委員会では不祥事発覚のわずか11日前の3月30日にNHKの18年度予算の質疑を行い、最終的には承認していたからである。委員会質疑の中では一連の不祥事に対する質問が相次ぎ、NHKの不祥事とそれに伴う受信料不払い問題に関して各党委員が大変な懸念を持っていることが明らかになった。

 だからこそ、採決にあたっては、「公共放送が国民・視聴者との信頼関係に基づき負担される受信料により維持運営されていることを深く認識し、会長を先頭に組織をあげて、再生・改革に向けたあらゆる方策に取り組み、国民・視聴者の信頼回復に最善を尽くすこと」という付帯決議を付け、承認していた。総務委員会では昨年3月の予算承認の際と10月の決算承認の際にもNHKの適正な公金使用を求める決議を行っており、この付帯決議は委員会として3回目の実質的「警告」ということになる。

この委員会での審議に基づき、翌31日私は総務委員長として本会議壇上で審議の経過と結果の報告を行い、本会議採決の結果、NHK予算は国会の承認を受けたのである。


その直後の新たな不祥事発覚である。当然NHKの橋本会長か最低でも理事クラスが説明に飛んでくるかと思った。しかしNHKからの連絡は不祥事発表当日の夜、何の連絡もなくFAX2枚を職員名で送りつけていただけで、その翌日も含めて何の説明もない。

 NHKは昨年のいわゆる番組改編に関する朝日新聞の虚偽報道をきっかけとして、政治家との接触を行わない方針になっているようである。しかし、国民の受信料負担によって運営され、予算や決算に関して国会承認が求められているのであるから、不祥事に関して国会にきちんと説明することは当然の義務である。

 今回の不祥事に関しては、なぜここまで発覚しなかったのか、NHKの内部調査体制はどうなっているのか、役員の処分は減給で十分なのか等々、議論すべきことはたくさんある。NHKが政治家と個別の接触を避けようというのであれば、私は総務委員長としてオープンで公式な場でこの問題をNHKに問いただしていくことにしたい。まず手始めに4月13日の総務委員会理事会冒頭で委員長としては異例の発言を求め、「NHKの不祥事に関して、厳しい付帯決議を付けた委員会に対して何の説明もない。これは委員会の権威に関わることなので、委員長として厳正に対処したい」と申し上げ、各党理事から了承を得た。今後も委員長として毅然とした対応をとり、NHKの構造問題にメスを入れていきたい。

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和歌山新報「がんばってます」/関係強化へ政策協議

2006年02月28日

関係強化へ政策協議

― 日ロ若手国会議員の会第2回会合 ―

一昨年からロシアの若手国会議員との交流に力を入れている。一昨年若手議員数名と日本青年会議所関係者とでモスクワを訪問し、ロシア側若手議員と数回会合を持ち、昨年春にはロシアの8名の国会議員が日本を訪問、滞在中に今後若手議員交流を強化していくことで合意し覚書きを交わした。さらに昨年末私と松山政司参議院議員でモスクワを訪問し、プーチン政権下での有力政治家で日ロ賢人会議のロシア側座長でもあるルシコフ・モスクワ市長立ち会いの下、私とロシアの若手有力議員であるネフョードフ国家員議員との間で日ロ若手国会議員の会設立の協定書に正式に調印を行った。

 先週、ネフョードフ議員を団長とするロシア若手議員9名が来日した。来日の目的は前回の協定を受けて日ロ若手議員の間で両国の関係強化に向けた政策協議を行うことにある。

 今回の協議では日ロでどのような経済協力関係を築くことができるかについて、4時間を超える集中討議を行った。その結果、お互いに京都議定書を批准しているという立場かから地球温暖化対策について両国国会議員で勉強を深めていくことで合意した。またそれに関連した具体的テーマとして、DME(ジメチルエチル)をエネルギー源として活用しいくための技術開発についても具体的に議論し、行動していくことも決めた。

 現在日ロの政治家間のパイプは極端に細くなっている。外務省によると議員レベルの交流で定期的かつ着実に交流を継続しているのは現在のところ私が主催する日ロ若手国会議員の会だけだそうである。


また今回は公式の協議以外にも意義多い来日であった。私とネフョードフ議員とは4回目の相互訪問になり、何度も酒も酌み交わしており、夫人とも面識ができており、お互いに信頼感と友情が芽生えてきている。今回はロシア側議員を広島に案内し、原爆ドーム等を見学してもらい、地元青年会議所の皆さんとピースフォーラムという話し合いの場を持ってもらった。ネフョードフ議員は核実験場の近くで生まれ育ち、両親とも癌でなくしていることから、核廃絶にも熱心に取り組んでおり、核廃絶に関する取り組みも両国議員でやっていこうといことになった。

 夜はお互いに居酒屋で酒を酌み交わしながら、フランクな議論をした。もちろん北方領土問題でもこちらからかなり言いたいことも言わせてもらった。家族のこと、選挙の悩みについてもお互いに本音を話し、いずこの国も政治家のライフスタイルはそんなに変わらないのだなということもわかった。

 次回は今年の夏以降、シベリアのトムスクという町で開催することが決まった。トムスクはこれから日本に向かって延びてくる石油ガスパイプラインの重要中継基地でもある。また天然ガス田が周辺に存在し、天然ガスを利用したDME開発について両国銀合同で実地調査もできるということで次回の会議場所に選定された。

 今後の日中関係の難しさを考えた場合、その隣の大国であるロシアとの関係は非常に重要になってくる。若手議員同士のまだまだ細いパイプかもしれないが、継続は力なりの精神で今後とも交流を続けていきたい。

KEYWORD:外遊・外交

和歌山新報「がんばってます」/企業広報担当者へのメッセージ

2006年01月17日

企業広報担当者へのメッセージ

― 初出版「プロフェッショナル広報戦略」 ―

昨年末、生まれて初めて著書を出版するという経験をすることになった。タイトルは「プロフェッショナル広報戦略」(世耕弘成著、ゴマブックス)

 実は昨年の選挙終了直後から、複数の出版社から本を出版しないかというお誘いをいただいていた。選挙における自民党コミュニケーション戦略チームの活動状況をはじめとする広報戦略の実情や裏話に関する内容を文章にして、本として出版しようという企画が数多く持ち込まれた。

 しかし、中々乗り気にはなれなかった。というのは、この間の選挙の主役はあくまでも小泉総理や各候補者であり、選挙大勝の原因は小泉総理の明確な姿勢とそれについて行った自民党の覚悟である。あくまでも広報はそれをバックアップしたに過ぎない。新聞やテレビのインタビューには情報公開や後世に記録を残すという観点から応えてきたが、自ら本を出版するという気にはどうにもなれなかった。

 そんな中、旧知の仲であるゴマブックスの嬉野勝美社長からも出版のお話をいただいた。嬉野さんは、リクルート社出身のやり手出版経営者で、業界の革命児といわれている人物で、既成概念を打ち破る出版物を多数手がけてきている。私と嬉野さんは昨年春にベンチャー経営者との懇談の場で出会い、意気投合していた。

 ゴマブックスの嬉野さんの提案は他の出版社の提案とは少し異なっていた。他の出版社の提案のほとんどが「選挙広報の裏話を書いてほしい」というものであったのに対して、ゴマブックスの提案は「企業の広報担当者へのメッセージとしてまとめないか」との話であった。これには少々心を動かされた。企業や組織の中で、コミュニケーション機能の重要性に気づいていて、それを組織の中で一生懸命主張するものの、トップや上司の理解不足で苦労しているビジネスマンは多数いるはずである。かくいう私も初当選以来、自民党や首相官邸のコミュニケーション機能の改革でずいぶんと苦労をしてきた。NTTの広報部での経験、首相官邸や自民党の広報改革の経験、それに加えて今回の選挙での経験をベースにして、企業や組織の中で改革を志す人へのメッセージになればという思いで、出版することを決意したのである。

 そこからの執筆作業は大変であった。ビジネスマンをメインターゲットとした本なので、年末年始休暇に間に合わせることが重要だとの判断で、クリスマス頃の出版とすることを決めたため、11月から突貫工事で執筆を行った。もちろん他の政務をこなしながら、夜中に睡眠時間を削りながらの執筆であった。11月末には一応何とか原稿を一通り仕上げることができたが、そこからは編集、校正の作業が待っていた。間が悪いことに12月初旬にロシア出張が入ってしまい、東京-モスクワ間でメールやFAXのやり取りをしながらの作業となった。そして12月20日過ぎにようやく印刷があがり、書店に並び始めた。

読者の反応は上々で、書店でも比較的目立つ場所に平積みされている。初刷りの2万部に加えて年明けには重版も決定した。まだお読みいただいていない方は、是非一度書店で「プロフェッショナル広報戦略」(世耕弘成著、ゴマブックス)を手に取ってみていただきたい。

KEYWORD:自由民主党, メディア

和歌山新報「がんばってます」/自民大勝へつながる演説

2005年10月04日

自民大勝へつながる演説

― 郵政民営化法案に賛成討論 ―

去る8月8日に参議院が郵政民営化関連6法案を否決した。私はその直前に以下のような賛成討論を行い、議員各位に賛成を呼びかけたが残念ながら否決となってしまった。ただその後の解散、そして自民大勝へとつながる演説でもあったので、その要旨をご紹介しておきたい。


「郵政民営化は、あらゆる改革に連動する小泉改革の本丸です。三百三十兆円の国民の資産が郵貯、簡保を通じて国債や特殊法人向け資金という官の世界でのみ使われている事態を解消し、民間資金として活用の道を拓くことは小さな政府を実現する上でも、経済活性化の上でも喫緊の課題といえます。

 参議院郵政民営化に関する特別委員会においては、82時間にわたる良識の府にふさわしい内容の濃い議論が展開されました。

 委員会答弁の中での公社の生田総裁自らの「公社制度のままでは、中長期的には困難な状況となり、料金値上げやサービス打ち切りにつながりかねない」との発言を重く受け止めたいと考えます。厳しい状況を考えると、現状維持ではなく、改革を断行することで、将来の展望を切り拓くべきだと考えます。行き詰って税金投入が必要となる事態だけは避けなければなりません。また、郵政民営化はサービス向上や、資金の多様な運用、税の支払いによる財政への貢献など、国民利益に適うものであると確信いたします。

 一方で、民営化によって「郵便局がなくなってしまうのではないか」といった不安が存在するのも事実です。特別委員会の審議の中で、法案がチェックされ、総理等の答弁で確認が行われています。

 その一つは郵便局ネットワークは民営化後も維持されるということです。特別委員会での答弁において、小泉総理から「郵便局ネットワークは国民の資産」であり、「万一にも国民の利便に支障が生じないようにしていきたい」との決意が示されたことで、郵便局がなくなるのではないかとの懸念は払拭されました。

 二つ目は、貯金・保険サービスについても、現行水準の維持が、しっかりと担保されていることです。参議院での答弁で「移行期間中でも郵便局会社による貯金・保険二社の株式保有が可能である」ことが確認されたため、これまでと同様、郵便と貯金・保険が一体となったサービスの確保が可能です。

 そして三つ目は、三年ごとの見直し規定が設けられていることです。この「見直し」が「経営形態のあり方を含む全ての事象を対象とする」ものであることを小泉総理が明確に答弁されました。


私は民営化された直後のNTTに就職しました。社員にはチャレンジ精神が漲り、新商品の開発やサービスの向上へ向けた巨大なエネルギーが社内に充ちていました。
 郵政民営化の改革にも多くの困難があることは否定しません。だからこそ困難を克服し、国民のよりよい生活を実現する新たなエネルギーを生み出すことが、政治の責任ではないでしょうか。

 郵政民営化は小泉総理が長年信念を持って取り組んでこられたテーマですが、小泉総理よりはるか以前に提唱していた人物がいます。和歌山県出身で初代郵政大臣にあたる初代駅逓頭を務めた浜口梧陵翁であります。この浜口翁は津波から住民を守った「稲叢の火」の逸話や私財での堤防建設といった、現代のボランティアを先取りした正に「民間主導」の業績を数多く残している人物ですが、この浜口翁が郵便事業に関して「将来は民間の経営に委ねるがよい」との言葉を実質的初代郵政大臣として今から百三十四年前の明治四年に残していることを指摘させていただき、私の賛成討論とします。」

KEYWORD:自由民主党, 政策実現