世耕弘成 SEKO HIROSHIGE

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世耕弘成

和歌山新報「がんばってます」/政治裏話、和歌山への想いも

2008年06月03日

政治裏話、和歌山への想いも

― バナナFM(87.7)で番組スタート ―

私はメディアに積極的に登場して、自分あるいは自由民主党、政府の政策を訴えることにしている。みなさんによく見ていただく番組としては「ビートたけしのテレビタックル」、「朝ズバ」、「田原総一朗のサンデープロジェクト」などがある。最近では「たかじんのそこまで言って委員会」や「朝まで生テレビ」にも出演した。

 自分から出演を申し出たことはこれまで1回もなく、基本的にはテレビ局側から要請されて出演している。私にとっては政治活動、政策づくり、あるいは地元和歌山での活動があくまでも最優先なので、せっかく要請をいただいてもそのほとんどはスケジュール上の理由でお断りしている状況でもある。しかしそれでもいろいろな局面でテレビ出演の要請が来るのは、初当選以来これまで10年弱、国会で、党内で、あるいは政局の節々で、いかなる圧力にも屈することなく行動し、発言してきたことに一定の評価をいただいているのかもしれない。また人にわかりやすく物事を説明するのは私の特技のひとつでもあり、それが原因かもしれない。テーマによっては「私が出て説明するしかない」というものがある。そういう時にはスケジュールを調整して出演することにしている。

 テレビ出演にあたっては、自民党あるいは政府の考えをわかりやすく伝えるという使命感をもって臨んでいる。しかしそれは決してたやすいことではない。何しろ各党を代表する論客を相手に、ただでさえメディアが厳しい論調を示している政府の政策を擁護しなくてはならないのだ。政治家以外で出演しているコメンテーターの方々もおおむね政府・自民党に批判的な立場の人が多いので、番組中、孤立無援になることすらある。「年金」、「医療問題」、「格差・貧困問題」などのテーマは本当に厳しい。しかしそういう中で私が自分に課しているルールは「絶対に政府・自民党の悪口は言わない。党の政策の範囲を逸脱しない」ということだ。野党議員と一緒になって政府を批判することは非常に楽だ。現にテレビでそうしている自民党議員も散見される。しかし私はいかに番組中の立場が苦しくなろうとも、このルールだけは絶対に守ることにしている。



こんな私にとって皆さんと接することができる新たな場所ができた。今春開局した和歌山市のミニFM局「バナナFM」(87.7MHz)に自分の番組を持つことになった。和歌山の活性化のためにFM局立ち上げで頑張っている皆さんに少しでも応援になればということで引き受けさせていただいた。番組名は「世耕弘成のメルティングポット」で放送は毎週日曜日午後5時から。ミニFM局のため可聴地域は和歌山市全域と海南市・岩出市・紀の川市の一部となる。メルティングポットは坩堝(るつぼ)という意味で、自分の生い立ちから政治の裏話、和歌山への想いまで、ありとあらゆる話題をリラックスした雰囲気で、間にAOR(アダルト・オリエンテッド・ロック)の落ち着いた音楽をご紹介しながら、お話していきたい。

KEYWORD:自由民主党, メディア, 基本政策

和歌山新報「がんばってます」/日銀総裁空席再発させぬため

2008年02月19日

日銀総裁空席再発させぬため

― 国会同意人事の枠組み見直す必要も ―

3月に入って国会は異常な状態が続いている。3月25日現在、かろうじて機能しているのは予算委員会のみで、他の常任委員会は法案の審議に入れない状態である。特に例年は歳出歳入歩調を揃えるという観点から、予算と同時に採決が行われる所得税法、地方税法が審議入りの目処さえ立っていない。国の予算は歳入(税収)があってこそ成り立つのであり、歳入の根拠法である所得税法、地方税法がないまま予算が成立してもまったく意味がない。また和歌山県議会でも県の予算が承認されたところであるが、これは国会で地方税法が成立することを前提としており、現在の国会の混乱は地方にも大きな迷惑をかけることになる。


また同様に、日本銀行の総裁に関しても戦後初めて空席になるという事態に立ち至っている。日銀総裁を選任するというのはあくまでも内閣の行政権の行使であって、国会はよほど酷い人選が行われることがないよう監視するという意味で「同意」の権能が与えられているのであって、「前歴が気にくわないから」とか「前回も反対したから」という理由で「不同意」という結論を導くのはあまりにも無責任であり、国会同意の権能の濫用ともいえよう。特に政府から一番目に内示された武藤敏郎氏は、人格、経験、識見とも非常に高いレベルにある人物で、日本の中央銀行総裁として世界に恥じない人物であった。この人物を「財務省の事務次官であった」ということで不同意としたことは本当に悔やまれる。

 また不同意を決定する手続きもきわめて強引であった。民主党は武藤氏から所信の聴取と質疑を行った直後に、採決のための本会議を設定しようとしたのである。本会議を設定する権限を持つ議院運営委員会理事会で、私は「所信内容の吟味も行わないうちに、不同意を前提として本会議を立てるのはおかしい」と猛抗議したが、議運委員長は聞き入れなかった。私は理事会中に席を蹴って立つことによって抗議の意思表示をせざるを得なかった。

 日銀総裁空席という事態を再発させないために、私は国会同意人事の枠組みそのものを見直す必要があると考えている。総理大臣の指名でさえ衆議院の議決が優先するようになっている。日銀総裁に関しても、衆参が異なる議決をした場合には、衆議院で再可決できるようにすべきである。


このような混乱する国会ではあるが、国会の赤十字といわれる議院運営委員会の与党側筆頭理事として、事態の収拾に奔走している。他の委員会が正常に機能しない中だが、議院運営委員会の理事会は毎日開催し、民主党に対して、所得税法、地方税法の審議入りについて強く求めている。今日(26日)も、各委員会の与党理事の署名を集め、総務、財政金融、国土交通の各委員長に対して委員会を開催するよう申し入れてもらい、議運も連動して所得税法、地方税法等の委員会への付託を要求した。

 しかし民主党は頑なに応じる姿勢を見せていない。このままでは国民や地方に大きな迷惑をかけてしまう。参議院無用論にもつながりかねない。大変な危機感を持ちながら年度末に向け、議運筆頭理事として全力で取り組む所存である。

KEYWORD:参議院, 国会

和歌山新報「がんばってます」/社保庁任せでなく政治主導で

2008年02月19日

社保庁任せでなく政治主導で

― 年金記録問題解決にしつこくチャレンジ ―

安倍内閣当時に明らかになった5000万件の宙に浮いた年金記録に関して、福田内閣でも混迷が続いている。安倍内閣当時は「5000万件のデータのほとんどが亡くなった方のデータか、結婚して姓が変わった方のデータ、短期勤務の後退職して一時金で精算が完了している方の消し忘れたデータであり、ソフトウェアを使って名寄せは可能」としていた社会保険庁が昨年末になって1975万件については、基礎年金番号への統合が困難であると発表したために、「今年3月末までに5000万件の名寄せを行って、通知できる人には通知を行う」という7月5日の政府・与党合意が達成できないのではないかとの懸念が強まっている。

 この状況を見過ごすことができないと自民党の国会議員有志が立ち上がった。年明け早々中川秀直、塩崎恭久、茂木敏充、菅義偉そして私の5名が国会近くの会議室に密かに集まった。それぞれ安倍内閣当時幹事長、官房長官、党年金検証プロジェクト座長、総務大臣、補佐官という立場にあったものであり、年金記録問題に関して人一倍責任感を持っているメンバーである。この5人で議論した結果、政治家主導でこの問題に関する社会保険庁の対応を徹底的に監視し、3月末までに国民にきちんと説明できる結果を出そう。そして国民が安心できる年金行政を実現していこうということになった。他に社会保障に精通した議員、調査能力を有する若手議員等に声をかけて、1月中旬に約20名で「年金行政改革議員連盟」が発足した。


5000万件の名寄せ作業は現在危機的な状況にある。該当記録がある可能性が高い1100万件の加入者、受給者からは送付した「ねんきん特別便」にまだ満足な返信が来ていない。1975万件の検証作業もまったく見込みが立っていない。議連では毎回社会保険庁を呼び、5000万件の名寄せ状況について厳しく確認し、いろいろと改善させてきている。例えば、当初は「特別便」には加入履歴がかかれているだけだったが、「あなたには該当する記録がある可能性が高い」との注意書きを入れるようにした。また、各県に数カ所しかない社会保険事務所では十分な対応ができないので、社会保険労務士会の皆さんのご協力を得て、連携するよう指導もした。「特別便」が来て、電話や来所して相談をする人への対応マニュアルも不親切極まりないものだったので、大幅に改善させ、会社名等のヒントを積極的に示すようにした。

 1975万件の統合困難データ発生の背景には、何らかの不正行為があった可能性もある。1100万件の該当データをどのようにして基礎年金番号に結びつけていくかの工程も不明確である。今後は該当者への親切な対応を徹底させるとともに、1975万件の解明にも全力を投入していきたい。こういう問題を社保庁任せにするのではなく、政治主導で解決するという意気込みで、がんばっていきたい。

KEYWORD:自由民主党

和歌山新報「がんばってます」/地デジで貧乏くじひかぬよう

2007年12月04日

地デジで貧乏くじひかぬよう

― 国が責任を持って難視聴区域解消を ―

去る10月23日に参議院総務委員会で質問に立った。総務委員長、首相補佐官と国会の委員会で質問できないポジションにいたため2年ぶりの質問で少々緊張した。

 質問は地上波デジタル放送の難視聴対策を中心に行った。実はこの問題は和歌山にとって深刻な課題となっている。地上波デジタル放送は2003年12月から本格導入を始め、2011年には全国展開を完了した上で現行のアナログ放送用電波を停波することになっている。

 地上波デジタル放送が導入されると一般放送がハイビジョン化されたり、1つの放送局が3チャンネルに分割した放送を行うことができたり、携帯電話でも受信できる「ワンセグ」放送が可能になるなど日本のテレビ放送を大きく進歩させることになる。またアナログ放送よりも電波の使用効率がよいため、空いた周波数を次世代携帯電話などで活用することができるようになる。またデジタル放送対応の薄型テレビやデジタルレコーダーは日本の景気の強力な牽引役となっている。

 このようにいいことずくめのような地上波デジタル放送だが、当然のことながら難視聴区域が発生する。アナログ放送でも難視聴区域は多数存在したが、デジタル放送では電波の直進性等のデジタル波の特性により難視聴区域が増えるといわれている。先日総務省が発表した放送デジタル化のロードマップによれば2011年のアナログ停波時点で全国的には約0.5%の世帯が視聴できないとの推計が出ている。このロードマップを地域別に見ると和歌山県の状況が全国で一番深刻で、約4%の家庭がデジタル放送の視聴が困難な地域になると予想されている。これはひとえに和歌山の地形の問題で、半島地域の地理的条件の悪さがこういう面でもでているわけである。難視聴問題を技術的に解決する方法がいくつかある。インターネット用の光ファイバーに放送を乗せて各家庭まで伝送する方法、ケーブルテレビをデジタル化する方法、現行の共聴施設をデジタル化する方法、ギャップフィラーという小型中継局を配置する方法、人工衛星から電波を届ける方法などが想定される。しかしいずれの方法も一定の費用がかかることになる。


私が総務委員会での質疑で特に強調したのは「この費用を地方に住む住民や自治体に負担させないこと」である。地上波放送のデジタル化は国策として決定したことであるのだから、アナログ放送と同じ環境でテレビを視聴することができるよう、国が責任を持って取り組むべきである。特に総務省は放送を管轄する局を持つと同時に地方財政を管轄する局も持っているのだから、省を挙げてデジタル化関連の地方向け財政支援にも取り組むべきである。そして内閣として「デジタル化後もすべての国民が今まで通りテレビを見ることができるように政府が責任を持つ」との閣議決定を行い、不安を抱いている地方の住民を安心させるべきだと考えている。

 これらの問題意識を増田総務大臣にぶつけ、積極的かつ前向きな答弁を得た。これからも地上波放送デジタル化で地方が貧乏くじをひくことがないように、しっかりと目を光らせていきたい。

KEYWORD:参議院, 和歌山

和歌山新報「がんばってます」/野党と粘り強く交渉して道を

2007年10月23日

野党と粘り強く交渉して道を

― 参院議院運営委員会筆頭理事に就任 ―

7月29日の参議院選挙で、厳しい逆風の中にもかかわらず3期目の当選を果たさせていただいてから、早いものでもう2ヶ月半が経過した。この間、皆さんもご存じの通り内閣改造、安倍首相の辞任、総裁選、福田内閣の誕生と政局の激変が発生した。この激変の中で私は首相補佐官を退任し、新たに参議院の議院運営委員会筆頭理事という仕事に就いている。


補佐官の仕事は本当に激務であった。24時間一瞬たりとも気を抜くことは許されない緊張感の中での毎日だった。安倍内閣に対するマスコミからの激しい批判の攻撃の矢面に立ってストレスも多かった。補佐官を退任して少しは充電期間を持ちたいと希望していたが、そうはいかなかった。議院運営委員会の筆頭理事という仕事はまた種類の違った激務である。特に民主党が第一党になっている参議院での議院運営の仕事は前例もなく、かなりの苦労が予想される。先輩方に挨拶にいってもおめでとうと言われるよりも気の毒がられて「補佐官の次は議運の筆頭か。君はよく働かされるなぁ」と言われることが多い。

 しかし、議運筆頭理事はやりがいのある仕事でもある。参議院の本会議の日程や法案審議や採決の日程は、すべて私と民主党筆頭理事の間で交渉し、方向性を決める。この交渉が不調だと法案の審議が進まないことになり、国政全般に大きな影響を与えることになる。会期中の閣僚等の海外出張も議運で了承をしなければならない。本会議の総理をはじめとする閣僚の答弁や野党側の質問内容を注意深く聴き、万一答弁漏れや不規則発言等の問題が発生した場合には本会議場内で壇上に上がり野党側の理事と丁々発止の場内協議も行わなければならない。このため私の本会議場内の議席は議員会長、幹事長、国対委員長と直ちに座ったまま相談できる位置に配置されている。まさに議会運営の心臓部の仕事を担うことになったわけである。党内でも役員会の常時出席メンバーとして参議院の状況報告を行うことになっている。


特に、参議院は民主党が第一党で自民党は第二党になってしまっている。野党が力を合わせれば過半数になる。わが国の戦後憲政史上初めての与野党、衆参のねじれ現象が発生している。このような状況下では過去の前例は一切通用しない。また今までは交渉が暗礁に乗り上げた場合には、最後は「では多数決で決めましょう」という殺し文句があったわけだが、現状でそんなことをしたら多数決に負けて、政府の法案が廃案になってしまう。まさに自分自身で考え、創意工夫を行い、野党と粘り強く交渉して、道を切り開いていく、フロンティアの役割を担っていることになる。しかも国民生活に関わる重要な法案の成立がかかっているので、失敗は許されない。重圧の中での仕事である。

 さらに、これから民主党は参議院に議員立法の法案を続々提出してくるだろう。この扱いを決めるのも重要な仕事である。参議院第一党の提案であるわけだから、今までのように放置することはできない。しかし唯々諾々と丸呑みもできない。相手側と誠意をもって交渉して、取り入れるべきところは取り入れるという姿勢で臨みたい。

KEYWORD:自由民主党, 選挙, 参議院