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和歌山新報「がんばってます」/和歌山代表として官邸で働く

2015年11月12日

和歌山代表として官邸で働く

―官房副長官の在任期間1000日超―

先月内閣改造が行われ、第三次安倍改造内閣が発足した。同僚として官邸を支えてきた加藤勝信衆議院議員は一億総活躍大臣として入閣したが、私は引き続き内閣官房副長官に留任することとなった。


和歌山新報「がんばってます」/和歌山代表として官邸で働く
総理の専権事項である人事のことなので理由はよく分からないが、二人の副長官を同時に交代させるわけにはいかないという判断があったのではないか。なかなか安倍総理の側から手放してもらえそうにない。

1年以上在任し続けると身体に悪いと言われるほどの超激務のポストだが、すでに在任期間も2年10か月となって1000日を超えており、このままいくと官房副長官の在任記録を樹立する可能性も出てきた。ちなみに官房副長官の連続在任記録の保持者は森内閣から小泉内閣にかけて約3年3か月間副長官を務めた安倍総理である。

副長官の職務を続ける限り、プライベートな予定はほとんど立てられない。このコーナーへの投稿を執筆する時間もなかなか確保が難しい。総理に呼び出されれば直ちに執務室に駆けつけて話を聞かなければならないし、総理や官房長官からの指示で特命業務も多数担当している。総理の外国訪問にも同行し、首脳会談のサポートや記者へのブリーフィングを行う。安倍内閣は「官邸主導」の政策運営といわれている。そのためあらゆる案件が官邸にあがってきて、副長官として総理や長官の判断を仰ぐにあたっての前さばきや省庁間の調整をしなくてはならない。私の執務室には15分単位で各省庁の幹部が説明にやってくる。毎日の日程表は文字でぎっしりと埋まっている状態だ。外からの情報収集も重要な仕事であり、朝、昼、晩のすべての食事は国会議員やマスコミ、経済人、学者との食事会になっている。

副長官になって何よりも辛いのは総理の外国訪問への同行や危機管理対応のため、就任以前のように頻繁に和歌山へ戻ることが出来ないことである。総理の外国訪問は国会日程等の合間を縫って週末に行われることが多いため、和歌山へ帰る機会を逸することになる。また危機管理では特に最近火山の噴火、台風、水害など想定を超える自然災害が連発しており、何か事態が発生すると直ちに官邸の危機管理センターに駆けつけて対応することになる。災害だけではなく、エボラ出血熱や中東呼吸器症候群などの新型疾病に関しても警戒を緩めるわけにはいかない。北朝鮮のミサイル問題など安全保障上の問題もある。危機管理で万が一にも失策や遅延があってはならないため、いつでも官邸に駆けつけられる体制を取っていなければならない。

このような官房副長官の激務ではあるが、日本の経済・外交を立て直すために文字通り命がけで闘っている安倍総理を間近で直接支えることが出来ることは政治家冥利に尽きる。和歌山代表として官邸で働いているという意識を持って、これからも全力で職務に精励していきたい。

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和歌山新報「がんばってます」/引き続き総理を支える職務に

2014年09月09日

引き続き総理を支える職務に

―中南米カリブ諸国歴訪に同行―

昨日(9月3日)内閣改造が行われ、第二次安倍改造内閣が発足しました。私は内閣官房副長官に留任することになりました。


すでに安倍総理は8月9日の産経新聞の単独インタビューで「官房長官、副長官、補佐官はそのまま留任させ、首相官邸は現体制のままでいく」と明言されていました。「長官、副長官ら留任」という産経朝刊1面トップの見出しを見て、「また人事の推測記事か」と思って読んでいくと、何と総理ご本人のインタビュー記事。「人事権者の総理本人が公に言っておられるのならば本当なのだろう」と自分の留任を知った次第です。まさに新聞辞令とはこのことでしょう。

安倍総理がかなり早い時期に官邸メンバー全員の留任を発表したことは、内閣は改造するが、自分の身近な存在である首相官邸は現体制でしっかりと守りを固めるという決意の表れだと思います。引き続き官邸で安倍総理を支えることになったわけですが、総理の期待に応え、日本のため、そして和歌山の代表としてしっかりと職務に取り組んでいきます。

さて内閣改造に先立つ7月下旬から8月上旬にかけて、安倍総理のメキシコ、カリブ(トリニダード・トバゴ)、コロンビア、チリ、ブラジル歴訪に同行しました。今回は11日間という安倍内閣史上最長の出張期間でありましたが、それに加えて非常に過酷な出張でもありました。というのも、時差は各国12時間前後で日本の真反対。さらに気温が30度を超えるカリブから真冬で最高気温が10度を切るチリまであって出張中の気温差が激しかったです。また標高2600メートルのコロンビアから0メートルのカリブまで、標高差も極端でした。

コロンビアの首都ボコタでは本当に空気が薄く、慣れない我々は息苦しさを感じるほどでした。現地の大使館からは「急激に動き出さないように」「食事は少なめに」などと注意をされ、慎重に行動していました。

今回の歴訪では中南米カリブ諸国での日本の存在感を高めることに成功しました。今回も200名の経済ミッションが同行し、資源関係から家具までいろいろな投資案件が動き出すことになりました。またカリブやコロンビアは日本の総理大臣が訪問するのは初めてで、熱烈な歓迎を受けました。

ブラジルでは多数の日系人がおり、彼らは勤勉さでブラジル国内で尊敬されており、社会の発展を支える重要な原動力になっています。サンパウロでは安倍総理は日系人の皆さんとの交流にかなりの時間を割きました。特に1200人が集まった日系人の集会で、全員と記念撮影をされたことには驚きました。母国を遠く離れて活躍されている日系人の皆さんに対して、総理は特別の思いを抱いておられるのだろうと思います。

私にとってうれしかったのは、ブラジルのサンパウロで日系和歌山県人会の皆さんにお会いできたことです。ビジネスで成功されている方も多数おられ、しばし和歌山の話題で盛り上がりました。

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和歌山新報「がんばってます」/集団的自衛権は抑止力の強化

2014年07月15日

集団的自衛権は抑止力の強化

「戦争する国」はいわれなき批判

 

 6月下旬から7月上旬にかけての2週間ほどの間に、安倍政権はいくつかの重大な決定を行った。どれをとっても一内閣が何年もかけてようやく一つ実現できるかどうかといった、難度の高い政策決定であった。6月24日には骨太の方針成長戦略改訂版をまとめ、来年からの法人税減税、聖域と言われた農業改革への着手、未承認抗がん剤等保険外診療併用を患者の申し出で可能にする改革、年収1000万円以上の専門職に関して労働時間規制を撤廃する等々、いままで不可能と言われてきた改革を実行に移すことを、具体的スケジュールも添えて約束した。
 さらに7月1日には集団的自衛権行使に関する与党合意がまとまり、歴史的な閣議決定が行われた。その臨時閣議において私が官房副長官として閣議決定文を約20分間にわたって読み上げた。歴史的な閣議で重要な役割を果たすことになり、感慨無量である。
 そして7月4日には、北朝鮮に対する制裁の一部解除を決定した。これは安倍内閣の対話と圧力の姿勢の前に、北朝鮮側が拉致被害者や特定失踪者に関して責任ある体制で調査するとの具体的提案を出してきたため、その調査が動き出すにあたって日本独自の制裁の一部解禁に踏み切った。
 このように安倍内閣は決められない政治と決別し、議論を尽くした上で決めるべき時には決めるという政治を進めている。副長官としてこれらの決定についてきちんと国民に理解されるよう努めていかなくてはならない。
 中でも集団的自衛権は、我が国を取り巻く国際環境が厳しい中で重要だ。しかし残念なことに一部のメディアで謂われのない非難が行われている。
 たとえば「戦争する国になる」とか「子供を戦場に送る」といった批判はまったく当たらない。我々は国際紛争はあくまでも話し合い(外交)によってのみ解決していく決意である。しかしそのためには相手に日本に対して戦争を仕掛けようなどという気持ちを持たせないことも重要であり、そのためには抑止力が必要で、集団的自衛権の行使はその抑止力の強化につながる。より戦争に巻き込まれる可能性を低くする取り組みなのである。
 「徴兵制につながる」との批判も荒唐無稽である。日本国憲法は苦役の強制を禁じており、徴兵制は出来ない。自民党の憲法改正草案ではそのことは明記しており、将来にわたって徴兵制が導入されることは絶対にない。そもそも技術が高度化している現代の軍隊には高度な専門性が求められており、各国とも志願制を採用するようになっており、新たに徴兵制を導入する合理性すらない。

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和歌山新報「がんばってます」/次世代リーダーと合宿勉強会

2014年05月20日

次世代リーダーと合宿勉強会

―「G1サミット」で沖縄へ―

3月21日〜23日の三連休を利用して、私がボードメンバーを務める合宿勉強会「G1サミット」に参加してきた。

G1サミットとは、同世代の経営者であるグロービス代表の堀義人さんとともに立ち上げた、同世代の合宿勉強会である。次世代を担うリーダー層が泊まりがけで集い、学び、議論し、日本再生のヴィジョンを描くための場にしたいと考えて立ち上げられた。


G1サミットという名称には、「GLOBE(世界)がひとつになる」「GLOBALでのNo.1」「GENERATION(世代)が一丸となる」という思いを込めている。そして「日本版ダボス会議」のような形に発展させていきたいとの思いを持っている。

G1サミットでは、政治・経済・ビジネス・科学技術・文化など、様々な分野の第一線で活躍する同世代の仲間が、互いに学び、立場を超えて議論し、未知の領域であった知恵を自らの糧としながら、良き仲間を得て、リーダーとして自身も周囲も成長していくことを目指している。

ボードメンバーは12名おり、私と堀さん以外に、星野佳路・星野リゾート代表や山中伸弥京大教授、陸上選手の為末大さん等々が名前を連ねている。

毎年、2月か3月の連休を利用して開催されており、今回で6回目となる。過去、福島裏磐梯、北海道トマム、山梨小淵沢、青森小牧温泉、といった不便な場所で開催されてきた。今回は沖縄県の石垣島を中心に開催された。官房副長官という立場であるが、安倍内閣の運営に重要なヒントを得ることができる勉強会なので、菅長官やその他官邸スタッフに危機管理の留守番をお願いしてフル参加してきた。

今回のテーマは「日本の最南西端の島々で、ニッポンの未来を議論し行動する」という表題で、地政学上の要衝であり、アジアに隣接する沖縄・八重山諸島。この日本の最南西端に位置する島々で、この国の歴史を振り返り、世界情勢を見極め、アジアの繁栄に向けて果たすべき役割を議論し、行動に移す。というものだ。

具体的には、「アベノミクス第三の矢」、「日本の外交防衛」、「地域から始まる日本の変革」、「社会を変革する現代アート」など多岐にわたるテーマでパネルディスカッションが行われた。

私も「日本の外交防衛 〜日本最南西端の島から考える東アジア外交〜」というセッションにパネリストとして登壇し、北岡伸一・国際大学学長、神保謙・慶應義塾大学准教授、川島真・東京大学大学院准教授といった錚々たる面々と、アジアの平和に向けて、日本はどのような役割を果たしていくべきか。外交・安全保障政策において、とるべき道とは何かなどについて突っ込んだ議論を行った。

G1サミットは泊まりがけで行われるため、深夜までホテルのバーなどを舞台に議論が続いていく。そんな中から新しい友人を得たり、仕事のヒントが出てきたりする。特に同世代で政治以外の分野の第一線で活躍する人物に触れることで、気持ちがリフレッシュし、もっと頑張らなくてはという気持ちにさせられる。

今回のG1サミットでも多くの事を得てきた。このことを安倍政権の運営に、そして和歌山の発展に役立てていきたい。


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和歌山新報「がんばってます」/史上3番目の早さで予算成立

2014年03月25日

史上3番目の早さで予算成立

-内閣支える官房副長官の仕事-

 
 3月20日に平成26年度予算が成立した。年度内に成立するのは平成23年度以来であり、3月20日に成立というのは史上3番目の早さであった。
 予算委員会で審議が始まると、官房副長官は多忙を極めることになる。読者の皆様も全国紙の「首相日程欄」などで見ていただいていると思うが、毎朝早朝から安倍総理と官房副長官との勉強会が行われる。副長官は政治家として総理に答弁に関してアドバイスを行うのが役割だ。適切なアドバイスが行えるよう、きちっと情報収集と準備をしなくてはならない。
 3月20日も6時50分には首相官邸に登庁し、内閣法制局と集団的自衛権に関して答弁内容の打ち合わせを行い、その上で7時15分から1時間以上にわたって総理と打ち合わせを行った。
 総理との打ち合わせでは、議員がどういう攻め口で質問をしてくるのかについて情報収集した結果に基づいて総理にインプットし、また官僚が作成した想定問答集について政治家としての観点から意見を述べ、場合によっては修正するなどを行う。この日も閣議が8時20分から予定されており、与野党議員からの大量の質問に対して密度の高い打ち合わせを行った。
 国会との調整も官房副長官の重要な仕事である。特に予算に関しては総理が委員会に出席する日数、時間も長く、総理の各種日程との調整も重要である。国会対策委員会に足繁く通い、総理側の都合や要望を詳細に伝え、調整して予算委員会の日程を作り上げていく。当然野党側は総理が出席するテレビ中継入りの予算委員会を多数設定することを希望するが、総理には重要な公務もあり、それらを全部受け入れるわけにはいかない。特に日本の総理大臣は年間120日も国会に出席しており、この数字は40日程度の英国、10数日のフランスやドイツに比べて突出して多い。総理がなるべく官邸で公務に専念できるよう、限られた日程で予算審議に応じるように調整するのも副長官の任務である。
 予算審議の中では様々なトラブルが発生する。今回の予算審議の中では、NHK会長や法制局長官の発言や答弁が野党から問題視された。また環境大臣や総務大臣政務官が委員会に遅刻するという事態も発生した。そういうことが起こるたびに、私は与野党の関係者の間を飛び回って事態の収集を図ってきた。
 これで予算は成立したが、まだまだ内閣にとって大変な山場が待っている。4月1日には消費税が上がる。TPPについてもそろそろ大筋合意をしなければならない時期が近づいている。原子力発電所については、いくつかの発電所について原子力規制委員会の審査が大詰めを迎えており、規制委員会により安全と判断された発電所については、再稼働させるかどうかの判断を政府として行わなくてはならない。また安全保障に関する有識者懇談会の報告書も提出が予定されており、提出された場合には政府与党での議論を進めて行かなくてはならない。
 官房副長官に就任して早くも1年3ヶ月が経過した。これからも内閣を裏方として支えていく覚悟である。

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