世耕弘成 SEKO HIROSHIGE

経済産業大臣 ロシア経済分野協力担当大臣 参議院議員 世耕弘成オフィシャルサイト

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世耕弘成

和歌山新報「がんばってます」/世界の中の“日本らしさ”とは?

2006年12月12日

世界の中の“日本らしさ”とは?

― 「カントリー・アイデンティティ」発信へ ―

安倍総理は就任直後の所信表明演説の中で、「『カントリー・アイデンティティ』、すなわち、我が国の理念、目指すべき方向、日本らしさを世界に発信していくことが、これからの日本にとって極めて重要なことであります。国家としての対外広報を、我が国の叡智を集めて、戦略的に実施します」と述べている。国のトップとしてこの国のあり方を明らかにし、世界に発信していくということを高らかに宣言したわけである。世界がグローバリズムの潮流の中で、あくまでも自由を追求する米国と、統制指向の中国とに2極化する現象も強くなってきている。そういう中で日本としてどういう国を目指していくのかを明らかにしていくことは今後の日本が世界の中で生き残っていく上でも非常に重要であり、こういう大局観を安倍総理が持っていることに関して、非常に心強く思っている。

 この「カントリー・アイデンティティ」を明確にし、世界に発信していくことについて、補佐官として中心となって進めていくよう総理から特命を受けている。年内には何らかの方向性を出せるよう、私のスタッフとともに取り組んでいるところである。

 一言で「カントリー・アイデンティティ」といっても非常に難しい。個人によって価値観も異なるし、「日本は立派だ」と世界に押しつけるようなことになっては逆にマイナスである。現在有識者の意見も聞きながら、世界に通用する、あるいは世界の役に立つ「日本らしさ」とは何かということについて議論を深めている。


当然、日本固有の歴史・自然・文化・伝統といった分野がまず非常に重要である。また最近は特にアニメ、ゲームといった日本のポップカルチャーにも世界の注目が集まっている。しかし「日本らしさ」はそれだけにとどまらない。日本人自身の生活の中にとけ込んで、当たり前になってしまっている事象にも「日本らしさ」が多数潜んでいる。例えば電車の時刻が非常に正確であること。電気や通信といった基本インフラサービスの質が非常に高いこと。阪神・淡路大震災の際には暴動などは発生せず整然と給水や配給を受ける列ができていたこと。などは世界に誇りうる「日本らしさ」である。

 他にも、戦後の日本が続けてきた平和主義、世界一の長寿国であること。国民皆保険制度、心のこもったODAの展開。PKOでの規律正しい活動。なども世界に類を見ない日本らしさである。

 この「日本らしさ」を官邸や霞ヶ関、学者の世界だけで考えるのではなく、国民運動として「日本らしさ」をみんなで発掘していくプロジェクトとして立ち上げることも検討してみたい。後ろ向きや自虐的に自国のことを考えるのではなく、世界に向けて発信すべきことは何かを世代や職業を超えて国民みんなで見つめ直してみることが、「カントリー・アイデンティティ」を世界に発信していく第一歩だと考える。

KEYWORD:自由民主党, 基本政策

和歌山新報「がんばってます」/仕事に誇り持ち地方の実情も進言

2006年10月24日

仕事に誇り持ち地方の実情も進言

― 安倍総理大臣補佐官就任から1ヶ月 ―

9月26日の安倍内閣発足に伴い、内閣総理大臣補佐官(広報担当)に任命された。安倍総理からは任命時に「日本政府全体の情報発信機能を強化してほしい」との指示を受けた。

 まったく新設のポストであるため、手探りで仕事をスタートさせているが、ともかく多忙である。議員会館の自室に行く時間はほとんどなく、首相官邸の中で早朝から夜中まで走り回っている。

 毎日朝一番と午後に報道状況をチェックし、塩崎官房長官と打ち合わせをする。この打ち合わせに基づいて塩崎長官は政府としての公式の記者会見を行うことになるので、海外の情勢から国内で発生している事件まであらゆる分野の情報を集約し、政府としてのコメントを用意しなくてはならないので大変緊張を強いられる打ち合わせとなる。

 さらに安倍総理が官邸で外国の要人と会談するときには必ず同席し、終了後その会談模様をマスコミ向けに記者会見して説明しなくてはならない。今までブッシュ米大統領、ブレア英首相との電話会談やライス米国務長官との会談に同席したが、一言一句が国益に関わる問題になるので、1秒たりとも気を抜くことはできない。

 また安倍総理が外遊する際には同行して、現地のプレスや海外からの特派員たちを相手に情報提供や記者会見の設営をしなくてはならない。時には総理夫人を活用してソフトな話題を提供するのも私の仕事である。安倍総理の初の外国公式訪問である先日の訪中、訪韓の際も同行したが、寝る間も満足にないような日程であった。


危機管理にも備えなくてはならない。大規模災害やテロ等の緊急事態が発生した場合には、直ちに官邸に駆けつけ、危機管理の指揮を執らなくてはならない。特にマスコミを通じた情報提供が私の仕事なので、緊急事態発生時には素早い判断と行動が求められる。先日の北朝鮮による核実験の際には総理に同行して韓国にいたが、盧武鉉大統領との会談等公式日程に出席しなければならない安倍総理と日本にいる総理代理の塩崎官房長官の連絡役を果たすとともに、電話で官邸の内閣広報室と連絡をとり、報道対応の指示を行った。

 日常の内閣記者会との対応も私の仕事である。現在いわゆる「ぶら下がり取材」の回数で協議が難航しているが、総理とマスコミの間に立ってこういう問題を調整するのも私の仕事である。

 これだけではない。安倍総理からの特命事項が矢継ぎ早に降りてくる。海外広報の強化策の立案、日本のカントリーアイデンティティの集約、所信表明演説での公約事項の進捗管理等々、安倍総理が問題意識を感じたテーマについて、一日に何回も執務室に呼ばれて、指示を受けている。

 私は今まで毎週週末は和歌山に帰り、有権者と触れ合うという政治スタイルを貫いてきた。しかし北朝鮮問題等危機管理事項も多く、これからはそう頻繁に帰ることもままならなくなりそうである。しかし安倍総理を直下でサポートできる仕事に誇りを持ち、時には和歌山のような地方の実情も総理に直々に進言しながら補佐官の仕事をがんばっていきたい。

KEYWORD:首相官邸, 外遊・外交, 和歌山

和歌山新報「がんばってます」/安倍さんの人間味、粘り、迫力

2006年08月29日

安倍さんの人間味、粘り、迫力

― 自民党改造プロジェクトのなかで ―

総裁選挙も佳境を迎えている。テレビや新聞で連日連夜政局の動きが報道されている。私も早くから安倍晋三官房長官支持を明確にしている若手の一人として、安倍氏本人からいろいろと直接指示も受けながら、その渦中で動き回っている。

 今回の総裁選に関してのマスメディアの報道は少し混乱気味である。派閥主導の選挙なのか?それとも派閥の枠を越えた、新しい動きの中での選挙なのか?この部分が非常にわかりにくくなっているからである。報道では「派閥単位で旧態依然とした動きがある」という指摘をしているものもあれば、「中堅・若手を中心とする再チャレンジ推進議員連盟が重要な役割を果たしている」とするものもある。またこういった旧来の派閥と新しい動きをする中堅・若手がぶつかり合っているとする分析もあるし、一部にはそういうぶつかり合いを「功名争い」と指摘する向きもある。

 いずれにせよ、自民党は今、派閥が融解する過渡期にある。「自民党をぶっ壊す」といった小泉総理のリーダーシップと安倍党改革実行本部長(当時)を中心として2年近く続けてきた党改革の動き、そしてそもそも中選挙区制度が10年以上前に廃止され、小選挙区制度に変わっていることなどが原因で、現在、自民党の派閥は大きな転換点を迎えている。

 派閥の融解という自民党が初めて経験する出来事の中での総裁選であるために、外から見ると非常にわかりにくくなっているし、渦中にいる政治家自身も暗中模索の状態で行動している。小泉総理自身も今回の総裁選と派閥の動きについて、「今までの派閥と機能は全然違ってきた。派閥のボスが右向けとか左向けと言ってもなかなか言うことを聞かなくなってきている。そういう動きが今回の総裁選挙で出ている」と分析している。


私は安倍党改革実行本部長のもとで、党改革の事務局を担当してきたので、このあたりの動きはよくわかっているつもりである。そしてその分析を「自民党改造プロジェクト650日」(新潮社)という本にまとめて出版させてもらった。昨年の秋に新潮社から企画が持ち込まれ、私の初めての著書である「プロフェッショナル広報戦略」(ゴマブックス)の出版直後の年末から執筆を始め、睡眠時間を削りながら約6ヶ月かけて書き上げた。自分の政治活動について新潮社のような名門出版社から出版する機会を与えてもらったのは大変光栄なことである。もうすでに書店に並んでおり、増刷にもなっていて、1万部を超える勢いとのことである。

 その本の中で、今回の総裁選と派閥の関係がどうなるか。小泉さんは派閥や総裁選に関してどういう考え方を持っていて、私に直接どのような指示を出したか。党改革は派閥構造にどのような影響を与えたのかについて詳述している。さらに、党改革という難しい仕事に取り組む中で安倍さんが見せた、人間味、粘り、迫力といった報道では伝わってこない一面も立体的に感じてもらえるようになっている。是非ご一読いただきたい。

KEYWORD:自由民主党, メディア

和歌山新報「がんばってます」/脱霞ヶ関依存型で政策立案

2006年07月04日

脱霞ヶ関依存型で政策立案

― 「シンクタンク2005 日本」が始動 ―

6月5日に自民党系のシンクタンクである「シンクタンク2005 日本」の開所式が、東京虎ノ門にある同シンクタンク事務所で挙行された。参加者20名程度のささやかな式典ではあったが、武部幹事長、中川政調会長が出席し、安倍官房長官からの祝電が披露され、多数のマスコミも取材に訪れるなど、日本の新しい政策立案手法確立への自民党の熱意と、世の中の注目度が感じられる開所式であった。

 私はこれまで安倍晋三党改革実行本部長(当時)とともに、これからの自民党の政策立案は霞ヶ関依存型から脱却しなければ、諸外国との政策競争に勝てないし、霞ヶ関の縦割り構造では解決できない新しいタイプの政策課題に対応できないという思いで、設立に向け奔走してきた。一時は霞ヶ関に任せておけばいいではないかという党内の反対論や、お金がかかりすぎるのではないかという懸念が強く、設立断念寸前まで追い込まれたこともあったが、党内を説得し、何とかここまでこぎ着けることができ、感慨無量である。

 このシンクタンクは新しいスタイルの政策立案に向けて早速実績を上げつつある。シンクタンクでは、ノーベル経済学賞を受賞した米ペンシルバニア大クライン教授をはじめ、内外超一流の経済学者に依頼して、「日本が今後3%程度の経済成長を持続することが可能かどうか」について、実際の経済モデルを走らせながら検証してもらった。そしてIT分野への投資を活性化すれば十分に可能であるとの研究結果を得た。日本はインターネットのインフラは十分に整備されているが、民間企業がそれを活用して新しいビジネスモデルを描けておらず、まだまだ潜在的な成長の可能性を秘めているとの結果であった。その研究成果を中川政調会長に報告して、党の経済成長戦略立案に大きな影響を与えた。


また「小さな政府論」について、東京大学の久保文明教授をはじめとする専門家に研究してもらった。日本はなぜ小さな政府を目指さなくてはならないのか? という点を中心に検討してもらったわけだが、その過程で世界の大規模な財政改革の成功例、失敗例を分析した結果、成功した国は7割を歳出削減、3割を増税を含む歳入増で対応してきたという分析結果が出て、その結果が党でとりまとめた歳出歳入一体改革に反映された。

 このような政策提言は霞ヶ関の省庁からは決して出てこない種類のものだ。今回自民党系シンクタンクが自民党と一定の距離を保ちながら、外部の学者と政治家がコラボレーションしながら、経済成長と行政改革についてこのような提言を行い、それが自民党の政策決定に影響を与えたということは、まさに画期的な出来事である。今後も教育が経済成長に与える影響や少子化時代の社会福祉のあり方について、外部の頭脳を活用しながら提言をとりまとめ、自民党や政府の政策立案に反映していくことになるであろう。

KEYWORD:自由民主党

和歌山新報「がんばってます」/予算承認直後またも不祥事

2006年04月18日

予算承認直後またも不祥事

― 国会に説明なしのNHKにメスを ―

不祥事続きで受信料収入が大幅に減少しているNHKだが、去る4月10日また新たな不祥事が持ち上がった。スポーツ報道センターのJリーグ担当のチーフプロデューサーが224回ものカラ出張を繰り返し、1700万円を超える不正な出張経費を受け取り、私的な飲食や服飾費に使用していたというのだ。


このニュースを聞いて私は驚くとともに怒りに震えた。というのも私は現在放送関係も所管する参議院の総務委員長を務めており、総務委員会では不祥事発覚のわずか11日前の3月30日にNHKの18年度予算の質疑を行い、最終的には承認していたからである。委員会質疑の中では一連の不祥事に対する質問が相次ぎ、NHKの不祥事とそれに伴う受信料不払い問題に関して各党委員が大変な懸念を持っていることが明らかになった。

 だからこそ、採決にあたっては、「公共放送が国民・視聴者との信頼関係に基づき負担される受信料により維持運営されていることを深く認識し、会長を先頭に組織をあげて、再生・改革に向けたあらゆる方策に取り組み、国民・視聴者の信頼回復に最善を尽くすこと」という付帯決議を付け、承認していた。総務委員会では昨年3月の予算承認の際と10月の決算承認の際にもNHKの適正な公金使用を求める決議を行っており、この付帯決議は委員会として3回目の実質的「警告」ということになる。

この委員会での審議に基づき、翌31日私は総務委員長として本会議壇上で審議の経過と結果の報告を行い、本会議採決の結果、NHK予算は国会の承認を受けたのである。


その直後の新たな不祥事発覚である。当然NHKの橋本会長か最低でも理事クラスが説明に飛んでくるかと思った。しかしNHKからの連絡は不祥事発表当日の夜、何の連絡もなくFAX2枚を職員名で送りつけていただけで、その翌日も含めて何の説明もない。

 NHKは昨年のいわゆる番組改編に関する朝日新聞の虚偽報道をきっかけとして、政治家との接触を行わない方針になっているようである。しかし、国民の受信料負担によって運営され、予算や決算に関して国会承認が求められているのであるから、不祥事に関して国会にきちんと説明することは当然の義務である。

 今回の不祥事に関しては、なぜここまで発覚しなかったのか、NHKの内部調査体制はどうなっているのか、役員の処分は減給で十分なのか等々、議論すべきことはたくさんある。NHKが政治家と個別の接触を避けようというのであれば、私は総務委員長としてオープンで公式な場でこの問題をNHKに問いただしていくことにしたい。まず手始めに4月13日の総務委員会理事会冒頭で委員長としては異例の発言を求め、「NHKの不祥事に関して、厳しい付帯決議を付けた委員会に対して何の説明もない。これは委員会の権威に関わることなので、委員長として厳正に対処したい」と申し上げ、各党理事から了承を得た。今後も委員長として毅然とした対応をとり、NHKの構造問題にメスを入れていきたい。

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