世耕弘成 SEKO HIROSHIGE

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和歌山新報「がんばってます」/野党と粘り強く交渉して道を

2007年10月23日

野党と粘り強く交渉して道を

― 参院議院運営委員会筆頭理事に就任 ―

7月29日の参議院選挙で、厳しい逆風の中にもかかわらず3期目の当選を果たさせていただいてから、早いものでもう2ヶ月半が経過した。この間、皆さんもご存じの通り内閣改造、安倍首相の辞任、総裁選、福田内閣の誕生と政局の激変が発生した。この激変の中で私は首相補佐官を退任し、新たに参議院の議院運営委員会筆頭理事という仕事に就いている。


補佐官の仕事は本当に激務であった。24時間一瞬たりとも気を抜くことは許されない緊張感の中での毎日だった。安倍内閣に対するマスコミからの激しい批判の攻撃の矢面に立ってストレスも多かった。補佐官を退任して少しは充電期間を持ちたいと希望していたが、そうはいかなかった。議院運営委員会の筆頭理事という仕事はまた種類の違った激務である。特に民主党が第一党になっている参議院での議院運営の仕事は前例もなく、かなりの苦労が予想される。先輩方に挨拶にいってもおめでとうと言われるよりも気の毒がられて「補佐官の次は議運の筆頭か。君はよく働かされるなぁ」と言われることが多い。

 しかし、議運筆頭理事はやりがいのある仕事でもある。参議院の本会議の日程や法案審議や採決の日程は、すべて私と民主党筆頭理事の間で交渉し、方向性を決める。この交渉が不調だと法案の審議が進まないことになり、国政全般に大きな影響を与えることになる。会期中の閣僚等の海外出張も議運で了承をしなければならない。本会議の総理をはじめとする閣僚の答弁や野党側の質問内容を注意深く聴き、万一答弁漏れや不規則発言等の問題が発生した場合には本会議場内で壇上に上がり野党側の理事と丁々発止の場内協議も行わなければならない。このため私の本会議場内の議席は議員会長、幹事長、国対委員長と直ちに座ったまま相談できる位置に配置されている。まさに議会運営の心臓部の仕事を担うことになったわけである。党内でも役員会の常時出席メンバーとして参議院の状況報告を行うことになっている。


特に、参議院は民主党が第一党で自民党は第二党になってしまっている。野党が力を合わせれば過半数になる。わが国の戦後憲政史上初めての与野党、衆参のねじれ現象が発生している。このような状況下では過去の前例は一切通用しない。また今までは交渉が暗礁に乗り上げた場合には、最後は「では多数決で決めましょう」という殺し文句があったわけだが、現状でそんなことをしたら多数決に負けて、政府の法案が廃案になってしまう。まさに自分自身で考え、創意工夫を行い、野党と粘り強く交渉して、道を切り開いていく、フロンティアの役割を担っていることになる。しかも国民生活に関わる重要な法案の成立がかかっているので、失敗は許されない。重圧の中での仕事である。

 さらに、これから民主党は参議院に議員立法の法案を続々提出してくるだろう。この扱いを決めるのも重要な仕事である。参議院第一党の提案であるわけだから、今までのように放置することはできない。しかし唯々諾々と丸呑みもできない。相手側と誠意をもって交渉して、取り入れるべきところは取り入れるという姿勢で臨みたい。

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和歌山新報「がんばってます」/世界の中の“日本らしさ”とは?

2006年12月12日

世界の中の“日本らしさ”とは?

― 「カントリー・アイデンティティ」発信へ ―

安倍総理は就任直後の所信表明演説の中で、「『カントリー・アイデンティティ』、すなわち、我が国の理念、目指すべき方向、日本らしさを世界に発信していくことが、これからの日本にとって極めて重要なことであります。国家としての対外広報を、我が国の叡智を集めて、戦略的に実施します」と述べている。国のトップとしてこの国のあり方を明らかにし、世界に発信していくということを高らかに宣言したわけである。世界がグローバリズムの潮流の中で、あくまでも自由を追求する米国と、統制指向の中国とに2極化する現象も強くなってきている。そういう中で日本としてどういう国を目指していくのかを明らかにしていくことは今後の日本が世界の中で生き残っていく上でも非常に重要であり、こういう大局観を安倍総理が持っていることに関して、非常に心強く思っている。

 この「カントリー・アイデンティティ」を明確にし、世界に発信していくことについて、補佐官として中心となって進めていくよう総理から特命を受けている。年内には何らかの方向性を出せるよう、私のスタッフとともに取り組んでいるところである。

 一言で「カントリー・アイデンティティ」といっても非常に難しい。個人によって価値観も異なるし、「日本は立派だ」と世界に押しつけるようなことになっては逆にマイナスである。現在有識者の意見も聞きながら、世界に通用する、あるいは世界の役に立つ「日本らしさ」とは何かということについて議論を深めている。


当然、日本固有の歴史・自然・文化・伝統といった分野がまず非常に重要である。また最近は特にアニメ、ゲームといった日本のポップカルチャーにも世界の注目が集まっている。しかし「日本らしさ」はそれだけにとどまらない。日本人自身の生活の中にとけ込んで、当たり前になってしまっている事象にも「日本らしさ」が多数潜んでいる。例えば電車の時刻が非常に正確であること。電気や通信といった基本インフラサービスの質が非常に高いこと。阪神・淡路大震災の際には暴動などは発生せず整然と給水や配給を受ける列ができていたこと。などは世界に誇りうる「日本らしさ」である。

 他にも、戦後の日本が続けてきた平和主義、世界一の長寿国であること。国民皆保険制度、心のこもったODAの展開。PKOでの規律正しい活動。なども世界に類を見ない日本らしさである。

 この「日本らしさ」を官邸や霞ヶ関、学者の世界だけで考えるのではなく、国民運動として「日本らしさ」をみんなで発掘していくプロジェクトとして立ち上げることも検討してみたい。後ろ向きや自虐的に自国のことを考えるのではなく、世界に向けて発信すべきことは何かを世代や職業を超えて国民みんなで見つめ直してみることが、「カントリー・アイデンティティ」を世界に発信していく第一歩だと考える。

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和歌山新報「がんばってます」/安倍さんの人間味、粘り、迫力

2006年08月29日

安倍さんの人間味、粘り、迫力

― 自民党改造プロジェクトのなかで ―

総裁選挙も佳境を迎えている。テレビや新聞で連日連夜政局の動きが報道されている。私も早くから安倍晋三官房長官支持を明確にしている若手の一人として、安倍氏本人からいろいろと直接指示も受けながら、その渦中で動き回っている。

 今回の総裁選に関してのマスメディアの報道は少し混乱気味である。派閥主導の選挙なのか?それとも派閥の枠を越えた、新しい動きの中での選挙なのか?この部分が非常にわかりにくくなっているからである。報道では「派閥単位で旧態依然とした動きがある」という指摘をしているものもあれば、「中堅・若手を中心とする再チャレンジ推進議員連盟が重要な役割を果たしている」とするものもある。またこういった旧来の派閥と新しい動きをする中堅・若手がぶつかり合っているとする分析もあるし、一部にはそういうぶつかり合いを「功名争い」と指摘する向きもある。

 いずれにせよ、自民党は今、派閥が融解する過渡期にある。「自民党をぶっ壊す」といった小泉総理のリーダーシップと安倍党改革実行本部長(当時)を中心として2年近く続けてきた党改革の動き、そしてそもそも中選挙区制度が10年以上前に廃止され、小選挙区制度に変わっていることなどが原因で、現在、自民党の派閥は大きな転換点を迎えている。

 派閥の融解という自民党が初めて経験する出来事の中での総裁選であるために、外から見ると非常にわかりにくくなっているし、渦中にいる政治家自身も暗中模索の状態で行動している。小泉総理自身も今回の総裁選と派閥の動きについて、「今までの派閥と機能は全然違ってきた。派閥のボスが右向けとか左向けと言ってもなかなか言うことを聞かなくなってきている。そういう動きが今回の総裁選挙で出ている」と分析している。


私は安倍党改革実行本部長のもとで、党改革の事務局を担当してきたので、このあたりの動きはよくわかっているつもりである。そしてその分析を「自民党改造プロジェクト650日」(新潮社)という本にまとめて出版させてもらった。昨年の秋に新潮社から企画が持ち込まれ、私の初めての著書である「プロフェッショナル広報戦略」(ゴマブックス)の出版直後の年末から執筆を始め、睡眠時間を削りながら約6ヶ月かけて書き上げた。自分の政治活動について新潮社のような名門出版社から出版する機会を与えてもらったのは大変光栄なことである。もうすでに書店に並んでおり、増刷にもなっていて、1万部を超える勢いとのことである。

 その本の中で、今回の総裁選と派閥の関係がどうなるか。小泉さんは派閥や総裁選に関してどういう考え方を持っていて、私に直接どのような指示を出したか。党改革は派閥構造にどのような影響を与えたのかについて詳述している。さらに、党改革という難しい仕事に取り組む中で安倍さんが見せた、人間味、粘り、迫力といった報道では伝わってこない一面も立体的に感じてもらえるようになっている。是非ご一読いただきたい。

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和歌山新報「がんばってます」/脱霞ヶ関依存型で政策立案

2006年07月04日

脱霞ヶ関依存型で政策立案

― 「シンクタンク2005 日本」が始動 ―

6月5日に自民党系のシンクタンクである「シンクタンク2005 日本」の開所式が、東京虎ノ門にある同シンクタンク事務所で挙行された。参加者20名程度のささやかな式典ではあったが、武部幹事長、中川政調会長が出席し、安倍官房長官からの祝電が披露され、多数のマスコミも取材に訪れるなど、日本の新しい政策立案手法確立への自民党の熱意と、世の中の注目度が感じられる開所式であった。

 私はこれまで安倍晋三党改革実行本部長(当時)とともに、これからの自民党の政策立案は霞ヶ関依存型から脱却しなければ、諸外国との政策競争に勝てないし、霞ヶ関の縦割り構造では解決できない新しいタイプの政策課題に対応できないという思いで、設立に向け奔走してきた。一時は霞ヶ関に任せておけばいいではないかという党内の反対論や、お金がかかりすぎるのではないかという懸念が強く、設立断念寸前まで追い込まれたこともあったが、党内を説得し、何とかここまでこぎ着けることができ、感慨無量である。

 このシンクタンクは新しいスタイルの政策立案に向けて早速実績を上げつつある。シンクタンクでは、ノーベル経済学賞を受賞した米ペンシルバニア大クライン教授をはじめ、内外超一流の経済学者に依頼して、「日本が今後3%程度の経済成長を持続することが可能かどうか」について、実際の経済モデルを走らせながら検証してもらった。そしてIT分野への投資を活性化すれば十分に可能であるとの研究結果を得た。日本はインターネットのインフラは十分に整備されているが、民間企業がそれを活用して新しいビジネスモデルを描けておらず、まだまだ潜在的な成長の可能性を秘めているとの結果であった。その研究成果を中川政調会長に報告して、党の経済成長戦略立案に大きな影響を与えた。


また「小さな政府論」について、東京大学の久保文明教授をはじめとする専門家に研究してもらった。日本はなぜ小さな政府を目指さなくてはならないのか? という点を中心に検討してもらったわけだが、その過程で世界の大規模な財政改革の成功例、失敗例を分析した結果、成功した国は7割を歳出削減、3割を増税を含む歳入増で対応してきたという分析結果が出て、その結果が党でとりまとめた歳出歳入一体改革に反映された。

 このような政策提言は霞ヶ関の省庁からは決して出てこない種類のものだ。今回自民党系シンクタンクが自民党と一定の距離を保ちながら、外部の学者と政治家がコラボレーションしながら、経済成長と行政改革についてこのような提言を行い、それが自民党の政策決定に影響を与えたということは、まさに画期的な出来事である。今後も教育が経済成長に与える影響や少子化時代の社会福祉のあり方について、外部の頭脳を活用しながら提言をとりまとめ、自民党や政府の政策立案に反映していくことになるであろう。

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和歌山新報「がんばってます」/企業広報担当者へのメッセージ

2006年01月17日

企業広報担当者へのメッセージ

― 初出版「プロフェッショナル広報戦略」 ―

昨年末、生まれて初めて著書を出版するという経験をすることになった。タイトルは「プロフェッショナル広報戦略」(世耕弘成著、ゴマブックス)

 実は昨年の選挙終了直後から、複数の出版社から本を出版しないかというお誘いをいただいていた。選挙における自民党コミュニケーション戦略チームの活動状況をはじめとする広報戦略の実情や裏話に関する内容を文章にして、本として出版しようという企画が数多く持ち込まれた。

 しかし、中々乗り気にはなれなかった。というのは、この間の選挙の主役はあくまでも小泉総理や各候補者であり、選挙大勝の原因は小泉総理の明確な姿勢とそれについて行った自民党の覚悟である。あくまでも広報はそれをバックアップしたに過ぎない。新聞やテレビのインタビューには情報公開や後世に記録を残すという観点から応えてきたが、自ら本を出版するという気にはどうにもなれなかった。

 そんな中、旧知の仲であるゴマブックスの嬉野勝美社長からも出版のお話をいただいた。嬉野さんは、リクルート社出身のやり手出版経営者で、業界の革命児といわれている人物で、既成概念を打ち破る出版物を多数手がけてきている。私と嬉野さんは昨年春にベンチャー経営者との懇談の場で出会い、意気投合していた。

 ゴマブックスの嬉野さんの提案は他の出版社の提案とは少し異なっていた。他の出版社の提案のほとんどが「選挙広報の裏話を書いてほしい」というものであったのに対して、ゴマブックスの提案は「企業の広報担当者へのメッセージとしてまとめないか」との話であった。これには少々心を動かされた。企業や組織の中で、コミュニケーション機能の重要性に気づいていて、それを組織の中で一生懸命主張するものの、トップや上司の理解不足で苦労しているビジネスマンは多数いるはずである。かくいう私も初当選以来、自民党や首相官邸のコミュニケーション機能の改革でずいぶんと苦労をしてきた。NTTの広報部での経験、首相官邸や自民党の広報改革の経験、それに加えて今回の選挙での経験をベースにして、企業や組織の中で改革を志す人へのメッセージになればという思いで、出版することを決意したのである。

 そこからの執筆作業は大変であった。ビジネスマンをメインターゲットとした本なので、年末年始休暇に間に合わせることが重要だとの判断で、クリスマス頃の出版とすることを決めたため、11月から突貫工事で執筆を行った。もちろん他の政務をこなしながら、夜中に睡眠時間を削りながらの執筆であった。11月末には一応何とか原稿を一通り仕上げることができたが、そこからは編集、校正の作業が待っていた。間が悪いことに12月初旬にロシア出張が入ってしまい、東京-モスクワ間でメールやFAXのやり取りをしながらの作業となった。そして12月20日過ぎにようやく印刷があがり、書店に並び始めた。

読者の反応は上々で、書店でも比較的目立つ場所に平積みされている。初刷りの2万部に加えて年明けには重版も決定した。まだお読みいただいていない方は、是非一度書店で「プロフェッショナル広報戦略」(世耕弘成著、ゴマブックス)を手に取ってみていただきたい。

KEYWORD:自由民主党, メディア