世耕弘成 SEKO HIROSHIGE

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和歌山新報「がんばってます」/初めての議員立法の経験

2002年08月20日

初めての議員立法の経験

役立つ「迷惑メール対策法」に充足感


七月末に閉会した国会で「迷惑メール対策法案」を起草し、立法に奔走した。私にとっては初めての議員立法の経験であった。

 ご存知のように、昨夏あたりから携帯電話向け迷惑メールが激増して、社会問題化した。大半が男女の出会い仲介の広告で深夜に起こされる、削除が面倒、着信側が料金負担させられるといった苦情がドコモなどに寄せられていた。特に私が深刻に受け止めたのは、メールというメディアが不健全なレッテルを張られてしまう可能性と、膨大なメールが携帯のメールそのものを麻痺させてしまう危険性だった。  総務省に対策をとるよう要請したが、「通信の自由」への配慮から重い腰を上げようとはしない。そこで、私は自ら法案を起草することにした。そして、どうせ立法するなら携帯先進国日本として世界の手本となるような立法を行おうと決意した。

 参議院の法制局の協力を得、何度かの徹夜作業を経て、(1)未承諾広告である旨の表示(2)発信者の氏名、連絡先などの明記(3)受信拒否の意思表示をした人への再送信の禁止(4)ソフトを用いたランダム発信の禁止―を骨格とする原案が完成した。

 原案は参議院自民党の政策審議会の審査を通過し、役員会で了承され、与党で協議されるなど、早期立法に向け順調に進んでいった。


ところが、意外な問題が発生した。経済産業省が自らの所管する「特定商取引法」の改正で対処するので議員立法はやめようと言い出したのである。

だが、迷惑メール問題はあくまでも通信行為上の問題であり、商取引上のトラブルではない。私は通信規制の観点に立つ迷惑メール対策法案の方が有効であると主張したが、経産省も通販業界などを管轄する立場から一歩も引かない。迷惑メール被害が拡大する中で参議院自民VS経産省という形の政官の激しい綱引きが行われた。
事態解決に向け、特商法に詳しい茂木敏充議員と私で調整した結果、迷惑メール対策法は発信者を規制する法律とし、特商法は広告主を規制する法律として棲み分けることになった。

 このような経過を経て迷惑メール対策法は四月に成立、去る七月一日から施行された。

 最近ワン切りという新手口が横行、兵庫などで電話が麻痺したが、このワン切りには迷惑メール対策法に盛り込んだランダム発信禁止条項を応用することにより、規制を掛けることができると考えており、党と総務省に提言し、検討が進んでいる。

 六月に来日した米国の通信政策に詳しい上院議員から迷惑メール対策法を成立させたことについて賞賛され、詳しく教えてほしいと依頼された。世界初の携帯メール規制法として国際的にも注目されはじめている。

 また先日、飛行機の中で隣に座ったカップルが、「そういえば、最近迷惑メールが少なくなってよかったね」と話していた。その瞬間、ささやかかもしれないが、確実な形で人々の生活の役に立つ法律を立法できたことに充足感を感じたのであった。

KEYWORD:国会, 政策実現